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国民年金制度の仕組みをFPがわかりやすく解説

国民年金制度の仕組みをFPがわかりやすく解説

 

年金が破綻するなんて噂もあるけどそもそも年金制度の仕組みってどうなってるの?
僕らが加入している国民年金ってどういう仕組み?

そのような疑問に答えます。

 

 

年金制度の仕組みはどうなっているのか

年金制度の仕組みを解説

まずは年金の全体像を抑えておきましょう。

日本の年金制度は大きく国が運営していて強制加入の公的年金と民間企業や団体が運営して任意加入の私的年金に分類されます。

そして、公的年金には国民年金と厚生年金があり、私的年金には国民年金基金、個人年金保険、確定給付企業年金、確定拠出年金があります。

 

公的年金制度は自分が現役のときに納めた保険料は引退している老人に支払われており、自分が引退した後に受け取る年金はその時の現役世代の保険料から支払われます。

これを賦課(ふか)方式と呼びます。

一方、私的年金は将来自分が受け取る年金の財源を自分が現役時代に積み立てる方式です。

これを積立方式と呼びます。

人気のiDeCoなんかは積立方式の代表格ですね。

>>iDeCoとは?メリット&デメリットをわかりやすく解説

 

公的年金

(強制加入)

国民年金(基礎年金) 賦課方式
厚生年金
私的年金

(任意加入)

国民年金基金 積立方式
個人年金保険
確定給付企業年金
確定拠出年金(iDeCoなど)

 

公的年金は何のためにあるのか

公的年金は何のため

年金について考える上で、そもそも公的年金は何のためにあるのかを理解していないと本質を見誤ってしまうのでココで理解しておきましょう。

 

質問です。

公的年金は次のうちどれに当てはまると思いますか?

1.積立の貯蓄
2.国の生活保護
3.リスクへの保険

 

正解は「3.リスクへの保険」です。公的年金におけるリスクは「長生き」です。

※遺族年金や障害年金も含めると長生きだけではありませんが、ひとまず”老齢年金”を中心に話をします。

長生きはいいことであるのは間違いありませんが、働けなくて収入がないのに生活を続けなくてはいけないというのは経済的な側面から見ると大きなリスクと言えます。

死ぬまでずっと支給される公的年金はそのための保険であることをまずは認識しておきましょう。

国民年金保険料って言うもんね!

 

国民年金の仕組みを解説-①加入編

国民年金の仕組み

お断り

公的年金制度の仕組みは複雑極まりなく、詳細まで書こうとするとキリがないのでわかりやすさを優先するためにも比較的ザックリ表現しています。ご了承ください。

 

まずは国民年金の加入について説明します。

 

国民年金の被保険者

国民年金の加入者(被保険者)は日本に住所がある20~59歳の全国民です。

その中で各人の属性によって、第1号から第3号の3種類に分けられます。

第1号被保険者 第2号被保険者 第3号被保険者
対象者 自営業者、フリーランス、学生など 厚生年金加入者

(会社員や公務員)

旦那さんの扶養に入ってる奥さんなど
年齢要件 20歳~59歳 なし 20歳~59歳

外国人でも日本に住所あれば原則強制加入になります。

 

任意加入被保険者

国民年金の加入義務はないが、任意で国民年金に加入することができる制度もあります。

任意加入被保険者になれるのは例えば以下のような人たちです。

①60歳になったが保険料の未納があるため補填したい
②現役世代の日本人だが今は海外在住

 

国民年金の仕組みを解説-②納付編

国民年金の仕組み-保険料編

2020年2月現在、国民年金の保険料は以下の通りです。

第1号被保険者 第2号被保険者 第3号被保険者
16,410円 厚生年金保険料に国民年金保険料も含まれるため負担なし 負担なし

保険料の納付期限は翌月末で金融機関・郵便局・コンビニで納付ができます。(滞納した場合は2年以内なら追納できます。)

また、現金払いではなく口座振替やクレジットカード決済を申し込めば納付を自動化することも可能です。

楽天カードでクレジットカード決済すれば1%ポイント還元されるのでオススメですよ。

 

まとめて前払いすれば割引きあり

国民年金の保険料は6か月、1年、2年単位でまとめて前払いすることが可能です。

1年分まとめると約4,000円、2年分まとめると約15,000円割引されるのでけっこうおトクです。

なお、口座振替の方がさらに数百円安くなりますがポイント1%の方がパワーが大きいです。

※まとめて前払いの申請方法などは日本年金機構のページをご覧ください。

 

保険料の免除と猶予制度

第1号被保険者で、経済的な事情などで保険料の納付が困難な人は申請することで保険料の免除や猶予を受けることができます。

免除の場合は、全額、4分の3、半額、4分の1の4種類があります。

免除割合に応じて給付額も減額されますが、猶予と違い一定額は反映されます。

猶予の場合は保険料を納めない分、将来の給付額にも反映されませんが10年以内なら追納が可能です。

 

保険料の免除&猶予を申請するメリット(未納との違い)

保険料が減額されるなら意味ないじゃん!?

そう思うかもしれませんが未納のままは勿体ないです。

未納と違い、免除と猶予には以下のメリットがあります。

①受給資格期間に算入される
②追納期限が2年→10年に延びる
③遺族年金・障害年金の受給権利がある

言葉足らずでピンとこないかもしれませんが、正当な理由があるなら免除や猶予申請をした方がいいです。

 

国民年金の仕組みを解説-③給付編

国民年金の仕組み

国民年金からの給付は「基礎年金」と言います。

つまりは(ちゃんと払っていれば)誰でも平等にもらえる公的な最低保障となる年金です。

基礎年金の給付には3種類あります。

  1. 老齢基礎年金・・老後の生活を支えるための年金
  2. 障害基礎年金・・障害者となった場合に給付される年金
  3. 遺族基礎年金・・被保険者が亡くなった場合に遺族に支給される年金

ひとつずつ解説します。

 

1.老齢基礎年金

年金=老齢年金というイメージもあると思います。

老後の生活を支えるための年金です。

 

老齢基礎年金の受給要件

原則65歳になった時から受給することができますが、10年以上保険料を収めていないと受給できません。

ただし、免除や猶予が認められた場合はその期間も参入することができます。

 

老齢基礎年金の年金額

2019年度時点で支給される老齢基礎年金額は780,100円です。

この金額は20~59歳の間きちんと全額納付した際の支給額です。

未納や免除がある場合はその分が支給額から減額されます。

 

繰上げ受給と繰下げ受給

受給開始は原則65歳ですが、受給開始を前後5年の範囲内で繰上げor繰下げることもできます。

なお、繰上げた場合は1月につき0.5%減額(5年で-30%)、繰下げた場合は1月につき0.7%増額(5年で+42%)されます。

どちらが得かは何歳まで生きるかで変わってきますが、年金=長生きへの保険という本質を考えるとギリギリまで繰下げて42%アップした年金を死ぬまでもらう方が私はおすすめです。

 

2.障害基礎年金

国民年金の仕組みを解説

国民年金の被保険者が障害により生活や仕事に支障が出た場合に支給される年金を障害基礎年金と言います

 

障害基礎年金の受給要件

以下の受給要件を満たす場合、障害基礎年金の受給対象となります。

①国民年金の被保険者
②年金保険料の未納がないこと
③国が定める「障害認定基準」の1級・2級に該当すること

 

障害基礎年金の受給額

障害基礎年金の受給額は障害等級(1級か2級)によって決まります。

【1級】974,125円+子の加算額
【2級】779,300円+子の加算額

※子の加算額・・・18歳未満の子を持つ方に一定額が加算されます。
 第2子までは子ども一人につき224,300円、第3子以降は74,800円加算されます。

 

3.遺族基礎年金

国民年金の被保険者が死亡した場合に遺族に支給される年金を遺族基礎年金と言います

 

遺族基礎年金の受給要件

以下の受給要件に該当する場合、遺族基礎年金の受給対象となります。

①保険料納付済期間が加入期間の2/3以上あること
②18歳未満の子どもがいる

 

遺族基礎年金の受給額

遺族基礎年金の受給額は『779,300円+子の加算額』です。

※子の加算額・・・第2子までは子ども一人につき224,300円、第3子以降は74,800円加算されます。

子どもが全員18歳になるまで、もしくは配偶者が30歳未満の場合は5年間受給できます。

 

子どもがいない妻は寡婦年金か死亡一時金がある

18歳未満の子どもがおらず遺族基礎年金が支給されない場合、寡婦年金か死亡一時金が受け取れます。

※寡夫年金はないため寡婦年金は奥さん限定の年金です。
※寡婦年金と死亡一時金はどちらか一方しか受け取れません。

いろいろ制約はありますが、寡婦年金は奥さんが60~64歳までの5年間、夫が受け取るはずだった老齢基礎年金の3/4が支給されます。

60歳まで待てないという場合は数十万円の死亡一時金が受け取れます。金額は保険料納付済期間に比例します。

 

ポイント

遺族基礎年金だけでも月に数万円の保障があり、会社員や公務員の方はさらに遺族厚生年金もあります。

民間の生命保険に加入している人は多いですが、公的保障でどれくらい支給されるかを把握した上で不足分を民間保険で補うようにしましょう。

>>生命保険は必要ない!?ギャンブルと一緒!?その理由を徹底解説!

 

国民年金の仕組みを解説-④付加年金編

国民年金の仕組みを解説

付加年金とは、国民年金保険料に任意で月額400円を上乗せすると将来もらえる年金に一定金額が上乗せされる制度です。

上乗せ額は『200円×付加年金保険料の納付月数』です。

【例】10年間、付加保険料を上乗せした場合

・付加保険料の総納付額は
400円×12ヵ月×10年=48,000円

・将来もらえる年金に上乗せされるのは
200円×12ヵ月×10年=24,000円

つまり、48,000円払うと毎年24,000円がもらえるので、2年で元が取れる計算になります。

65歳前に亡くなると保険料が無駄になるという側面はありますが、基本的にはとてもおトクな制度です。

 

国民年金にかかる税金

国民年金の税金

さいごに、国民年金保険料を納付した時と受け取った時の税金について解説します。

国民年金保険料を納付した時

国民年金保険料を納付した時は、全額が社会保険料控除の対象となるため所得税の計算から外れます。

国民年金を受け取った時

国民年金(老齢基礎年金)を受け取った時は雑所得として課税されますが、「公的年金等控除」の対象となるため、支給額に応じて一定額が所得税の計算から外れます。

なお、遺族年金や障害年金は非課税です。

 

国民年金の仕組み-まとめ

公的年金は長生きリスクに対する「保険」

国民年金の被保険者は第1号~第3号に分類される

国民年金の給付には、「老齢基礎年金」「障害基礎年金」「遺族基礎年金」の3つがある

国民年金の保険料は全額社会保険料控除、給付額は雑所得だが公的年金等控除の対象

 

今回は以上です。

 

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