教養・哲学

DaiGo著『突破力』の要約まとめ【限界?それはあなたの勘違い】

DaiGo著『突破力』の要約まとめ【限界?それはあなたの勘違い】

 

『突破力』の要約が知りたい。
自分の力はこんなもんじゃない。
そんな疑問に答える記事です。

 

この記事で分かること

  • 『突破力』の要約が分かる
  • 自分の限界に対する捉え方が分かる
  • 自分の足を引っ張るバイアスの正体が分かる

 

この記事を書いている僕は自分のバイアスを意識しつつ、ちょこちょことブログを書き続けています。

 

それでは見ていきましょう。

 

 

『突破力』の基本情報【限界は突破できない】

 

まずは『突破力』の基本情報について見ていきます。

書名 :無理なく限界を突破するための心理学 突破力
著者 :メンタリストDaiGo
出版月:2019/5/28
出版社:リベラル社
定価 :¥1,540 (税込)

 

ご存じの方も多いでしょうが、著者であるメンタリストDaiGoさんのプロフィールはコチラです。

慶応義塾大学理工学部物理情報工学科卒業。人の心をつくることに興味を持ち、人工知能記憶材料系マテリアルサイエンスを研究。英国発祥のメンタリズムを日本のメディアに初めて紹介し、日本唯一のメンタリストとして数百のTV 番組に出演。その後、活動をビジネスおよびアカデミックな方向へと転換し、企業のビジネスアドバイザーやプロダクト開発、作家、大学教授として活動中。日々インプットした膨大な情報・スキルを独自の勉強法で体得し、驚異的な成果をあげ続けている。著書は累計300 万部、『トークいらずの営業術』『直観力』(ともにリベラル社)、『人生を思い通りに操る 片づけの心理法則』(学研)ほかヒット作多数。

-Amazon著者ページより抜粋-

 

「突破力」というタイトルから、

  • 限界突破の方法が知れる
  • 自分の殻を破れる

という内容を想像してましたが、読んでみると全く違った視点が書かれていました。

 

これはこれで面白かった!

 

 

『突破力』の要約【最大の敵は「バイアス」】

『突破力』の要約【最大の敵は「バイアス」】

 

それでは、『突破力』の内容を4つのパートに分けて解説していきます。

  1. 限界は突破するものじゃない
  2. バイアスから自由になる4つの方法
  3. バイアスから身を守る「客観性」の養い方
  4. バイアスを突破するための手軽なトレーニング法

順番に見ていきましょう。

 

要約①:限界は突破するものじゃない

いきなりですが、DaiGoさんは「そもそも限界は突破できないし、する必要もない。」と断言します。

身長190cmほしい!と言っても無理なのと同じこと。

 

大事なのは、手持ちのカードでどう戦うかです。

 

そもそも「限界」は”生物学的な限界”と”思い込みによる限界”のどちらかですが、限界を感じた時にどっちなのかを判別するのは不可能なんだそうです。

なぜなら、限界は時代や環境でコロコロ変わるから。

昔は子供の収入源はお小遣いとお年玉くらいしかありませんでしたが、今は子供もYouTubeで稼ぐ時代です。

 

コロコロ変わる限界に立ち向かう手段は「試す」しかありませんが、多くの人が試すステージに進まないのが現状です。

それは、人の心の底に潜む「バイアス」が行動を制限し判断を狂わせているから

※バイアスとは、「人間の意思決定には一定のパターンがある」ということを行動経済学者が研究して広めた概念です。

 

限界に関するバイアスは大別すると2種類。

  • 本当は限界でないことを限界であると錯覚する
  • 本当は限界であることを限界でないと錯覚する

バイアスの恐ろしいところが、起動すると無意識で脳内で処理されることです。

 

要するに、

  • 限界を超えるのではなく
  • 逆に自分の限界を見極めつつ
  • 限界とうまく付き合う

そういうアプローチです。

 

方法は以下の通り。

  1. 自分のバイアスを認識する
  2. バイアスを乗り越えつつ仮説を導く
  3. 仮説が正しいかどうか淡々と検証する

 

 

要約②:バイアスから自由になる4つの方法

心理学的には限界を超える必要など全くなく、必要なのは「バイアス」から逃れつつ常に最適な選択ができるよう合理性を養うことです。

「バイアスの罠」から逃れて自由になる方法を4つ紹介します。

  1. 合理脳を起動する
  2. 時間感覚を変える
  3. 計画性で直感に勝つ
  4. メンタルを最適化する

順番に見ていきましょう。

 

1) 合理脳を起動する

バイアスは無意識のうちに脳内で起動し不合理な判断へと追いやります。

これに対処するには、先に合理脳を起動しておく必要があるわけですね。

 

もっとも手軽なのは、「どのようなバイアスがあるのか?」を認識して予防接種を打っておくこと

 

人生の足を引っ張る20のバイアス

  1. 初対面で嫌われたと思いがち
    ⇒好感度ギャップ
  2. SNSで他人を羨ましく感じる
    ⇒リア充バイアス
  3. 自分の価値観で他人を決めつけがち
    ⇒価値フィルタバイアス
  4. 見た目で相手の性格を決めつける
    ⇒体型バイアス
  5. 気づかないうちに他人を見下す
    ⇒潜在的差別バイアス
  6. ネガティブ思考になりがち
    ⇒ネガティブバイアス
  7. 重要なことを後回しにする
    ⇒単純緊急性効果
  8. 今の状態を保ちたいと考えがち
    ⇒現状維持バイアス
  9. ウケを狙った行動をとりがち
    ⇒スマイルシーキングバイアス
  10. 自分を平均よりも優れていると思う
    ⇒隠れナルシストバイアス
  11. 年齢を理由に新しいことに取り組めない
    ⇒エイジズム
  12. ネットのレビュー数の多さで商品を選ぶ
    ⇒人気優先バイアス
  13. 金儲けを卑しいと思いがち
    ⇒嫌儲バイアス
  14. 他人のミスや偶然の産物を好ましく思う
    ⇒誤謬選好バイアス
  15. 好奇心が高まり過ぎて危険を冒す
    ⇒好奇心リスク
  16. 相手に正直な気持ちをぶつけるのを怖れる
    ⇒真実隠蔽バイアス
  17. 他人の親切をプレッシャーに感じる
    ⇒互恵不安バイアス
  18. 周囲に感謝の気持ちを伝えるのが苦手
    ⇒感謝ギャップ
  19. 「こうなることはわかっていた」と思いがち
    ⇒後知恵バイアス
  20. 宗教やスピリチュアルにハマりがち
    ⇒直観バイアス

 

当てはまるものがある人は、本書が予防接種になるかもです。

 

2) 時間感覚を変える

多くの人は未来に対する見積もりが甘くなりがちです。

「現在バイアス」という言葉もありますが、人間は「未来」よりも「現在」を優先する生き物なのです

  • 離婚することなど想像せずにマイホームを買う
  • 倒産することなど想像せずに就職する
  • 老後不安を感じつつも貯蓄しない

このような時は、わざと最悪の未来を想像することで視野が広がり冷静で客観的な判断が可能になります

 

未来の時間感覚をちょっとズラすのです。

 

3) 計画性で直感に勝つ

目標に向けて計画を立てる人は多いものの、その計画がざっくりしているとバイアスに負けてしまい「今日はゲームしよ♪」となってしまいます。

短期的な欲望は強敵です。

 

そのためには、「いつ・どこで・どのように」の観点で、ゴールまでのロードマップを明確にしておくのが有効です

例えば「運動する」という計画には、

  • 明日の7:00に
  • 自宅リビングで
  • 腹筋・腕立て・スクワットを3分3セットずつやる

最後の「どのように」の部分が明確であるほどバイアスから逃れやすくなります。

 

4) メンタルを最適化する

とはいえ、無意識に襲ってくるバイアスの影響をゼロにするのは困難です。

より防御力を高めるには、防御も「無意識」にできる状態が必要です

目には目を、無意識には無意識を。

 

本書で紹介されてる手法は以下3つ。

  • 感謝の心で自己視点を突破する
    ⇒感謝で意識が他者へ向かうと自意識が薄れる
  • アカウンタビリティで無意識を正す
    ⇒判断力を高めたければ判断力が高い人の隣に座る
  • ストレスが大きい時は判断しない
    ⇒怒り・イライラ・空腹・疲労・不快感は誤判断のもと

 

 

要約③:バイアスから身を守る「客観性」の養い方

より深くバイアスを解除し、思考の罠からできるだけ自由になるには「客観性」が必要です。

なぜなら、バイアスは個人が持つ思考のクセであり「主観」に飲み込まれた状態だからです。

 

「主観」に立ち向かうには「客観」が一番ということ。

 

以下の手法を使いつつ、あらかじめ一歩引いた目線を持っておくとバイアスが起動しそうなときに軌道修正ができます。

  1. セルフモニタリング
    ⇒自分の行動・思考・感情を記録して理性を鍛える
  2. クリティカルシンキング
    ⇒バイアスに左右されないよう問題を批判的思考で分析する
  3. 知的謙遜
    ⇒自分の知識不足を自覚し、正しい情報を得る姿勢

 

 

要約④:バイアスを突破するための手軽なトレーニング法

本書では、思考のクセから自由になるための取り組みやすいテクニック10選が紹介されていますが、大別すると2種類。

  • 無駄な後悔とミスを減らす
  • 一歩踏み出してチャンスを掴む

 

1) 無駄な後悔とミスを減らす - 参照点をずらす -

「参照点」とは、物事を判断したい時に参考にする数字や尺度のことです。

 

例えば下記PCの値段。

アンカリング効果

¥74,000という価格が妥当かどうか分かりませんが、¥148,000という数字が「参照点」となり割安に感じる人が多いんじゃないでしょうか?

参照点を存在に気づかないと、我々の判断は簡単に操られてしまうのです。

 

過去の失敗経験がトラウマとなり正しい選択ができないことは仕事の場面でもありがち。

 

この罠から逃れるには、意識して参照点をズラすしかありません

  • ネガティブなバイアスが発動してたら
  • ポジティブな経験を思い出す

ポイントはいろんな感情を比較すること

買い物の時に様々な価格帯を比較するのと同じ。

 

2) 一歩踏み出してチャンスを掴む - 架空のキャラ作り -

積極的な行動が取れない人は「逆自己奉仕バイアス」という心のクセが強いかもしれません。

 

逆自己奉仕バイアスとは

  • 良いことは他人のおかげ
  • 悪いことは自分のせい

といって自分を責める心理バイアスです。

 

このように自分を責めがちな人にオススメなのが「架空のキャラ作り」です。

 

架空のキャラ作り3STEP

  1. 安全な場所のイメージ
    ⇒目を閉じて「どんな悪いことも起きない安全な場所」を想像
  2. 架空のキャラ作り
    ⇒優しくて思いやりに溢れた架空キャラを想像する
  3. キャラとの対話
    ⇒架空のキャラから安全な場所でアドバイスをもらう

 

ちょっとスピリチュアルな感じもしますが、劣等感や恥の感覚が和らぎ、うつ病のリスクが大幅に減少したという報告もあるそうです。

 

 

まとめ:突破するのは「限界」ではなく「バイアス」

まとめ:突破するのは「限界」ではなく「バイアス」

 

最後に要点を振り返りましょう。

 

限界とうまく付き合う方法

  1. 自分のバイアスを認識する
  2. バイアスを乗り越えつつ仮説を導く
  3. 仮説が正しいかどうか淡々と検証する

 

バイアスから自由になる4つの方法

  1. 合理脳を起動する
  2. 時間感覚を変える
  3. 計画性で直感に勝つ
  4. メンタルを最適化する

 

客観性を養う3つの方法

  1. セルフモニタリング
  2. クリティカルシンキング
  3. 知的謙遜

 

バイアスを突破するテクニック

  • 無駄な後悔とミスを減らす
  • 一歩踏み出してチャンスを掴む

 

結局のところ、

  • 限界は時代によって変化するし
  • バイアスがかかって見誤るものだから
  • バイアスとどう向き合うかを考えよう

そういう本です。

 

自分の思考のクセに気づき、効率よく成功に近づくための方法論ということ。

単に「限界突破したい!」と思ったところで正しい道は見えません。

 

突破するのは「限界」ではなく「バイアス」

 

バイアスから逃れたい方はいちど本書を手に取ってみることをオススメします。

 

今回は以上です。

 

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