この記事で分かること
- 『最高の体調』の要約が分かる
- あらゆる不調の共通項「文明病」が分かる
- 文明病の要因と対策が分かる
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それでは見ていきましょう。
もくじ
『最高の体調』の基本情報【不調の根本とは?】
まずは『最高の体調』の基本情報について見ていきます。
書名 :最高の体調 ~進化医学のアプローチで、過去最高のコンディションを実現する方法
著者 :鈴木 祐
出版月:2018/7/13
出版社:クロスメディア・パブリッシング
定価 :¥1628 (税込)
著者である鈴木祐氏のプロフィールはコチラです。
新進気鋭のサイエンスライター。1976年生まれ、慶應義塾大学SFC卒業後、出版社勤務を経て独立。10万本の科学論文の読破と600人を超える海外の学者や専門医へのインタビューを重ねながら、現在はヘルスケアをテーマとした書籍や雑誌の執筆を手がける。近年では、自身のブログ「パレオな男」で心理、健康、科学に関する最新の知見を紹介し続け、3年で月間100万PVを達成。また、ヘルスケア企業などを中心に、科学的なエビデンスの見分け方などを伝える講演なども行っている。
-Amazon著者紹介情報より抜粋-
- 朝起きれない
- 集中力が続かない
- つねに体調不良
現代人の体に抱える悩みは挙げたらキリがありません。
通常、これらの体の問題は別々に扱われますが、本書では現代人が抱える悩みの「共通項」をあぶり出し、総合的なアプローチを取ります。
『最高の体調』の要約【文明病から脱却せよ】
では本書を3つのパートに分けて解説していきます。
- 全ての共通項は「文明病」
- 長期的な炎症が体をグツグツ煮込む
- ぼんやりした不安が脳を蝕む
順番に見ていきましょう。
要約①:全ての共通項は「文明病」
- うつ病
- 肥満
- 散漫な集中力
- 慢性疲労
- 不眠
一見バラバラに見える症状も根っこは全て「文明病」であると著者は述べています。
文明病から脱却し本来の自分を取り戻すのが本書の目的と言えます。
文明病とは、社会の近代化によって引き起こされる現代特有の病気や症状です。
うつ病や集中力低下も進化のミスマッチが引き起こしてると述べています。
文明病から悩みを解くロードマップは以下の通り。
- 自分が抱える問題について、どこに遺伝のミスマッチがあるのか特定する
- ミスマッチを起こしている環境を、遺伝に沿うように修正する
とはいえ、遺伝のミスマッチを特定しろと言われてもどうしたらいいかわかりませんよね。
そこで本書では代表的な要素として「炎症」と「不安」の2つをピックアップしています。
要約②:長期的な「炎症」が体をグツグツ煮込む
1) 現代の炎症は「慢性炎症」
炎症反応は、体が何らかのダメージを受けた時に修復するための防御システムで、人体になくてなならない機能です。
炎症と言うと傷口が赤く腫れるような状態をイメージしがちですが、ここで大事なのは炎症は体の表面だけに起こる現象でないこと。
風邪などのように分かりやすい炎症反応で短期的に決着がつく場合はいいものの、気づかないくらいの弱火でじっくり煮込むような「慢性炎症」です。
内臓脂肪からくるメタボなんかがその典型で、ハッキリとした自覚症状が現れずにジワジワ進行していきます。
自分の健康状態を「悪い」と判断した人ほど体内の炎症レベルが高いことが研究で明らかになっています。
逆に狩猟採集民たちには慢性炎症に由来する病気がほぼ存在しなかったそうです。
要するに、文明によって炎症症状に変化が出ているということが言えます。
- 狩猟採集民・・外傷などの見てすぐ分かる短期的炎症
- 現代人 ・・体内で延々とくすぶる長期的な炎症
2) 炎症のカギは「カロリー」と「睡眠」
では現代人のどんな生活スタイルが慢性炎症に繋がっているのでしょうか?
多くの人に当てはまりそうな要因を2つ紹介します。
炎症①:カロリーが多すぎる
先進国ではここ30年で摂取カロリーが増え続けており糖尿病や高血圧の発症率も上がっています。
古代は食料がいつでも手に入る環境ではなかったため、カロリーは貴重な資源でした。
その中で進化した人類は自然と高カロリーな食品を欲する脳になっているということ。
炎症②:睡眠が少なすぎる
カリフォルニア大学の研究で次の結果が出ています。
- 1日平均7〜9時間の睡眠時間から逸脱すると体内の炎症が激増する
- 夜中に何度も目が覚める場合も体内の炎症は増える
そんな中、われわれ日本人は世界2位の短眠だそうです。
一方で狩猟採集民には「不眠」や「寝不足」といった言葉はなく、みな一晩で体力を完全回復させていたと言われています。
3) 炎症の解決には「腸」「環境」「ストレス」
では現代人の慢性炎症を抑えるにはどうしたらいいのでしょうか。
キーワードは「腸」「環境」「ストレス」です。
腸内細菌を呼び戻せ
現代人は腸のバリアがどんどん破れており、その原因は腸内細菌の減少と言われています。
腸内細菌は、体に侵入した外敵と戦ってくれる貴重な存在であるにも関わらず、現代人の生活スタイルが腸内細菌を追い出している状態なのです。
その要因は「衛生の発達」と「食物繊維の不足」と言われています。
抗生物質の発明や衛生設備の発展による副作用として、善玉菌などの有用な菌との接触も妨げられたのです。
また、腸内細菌は食物繊維をエサとして繁殖しますが、現代人は食物繊維の摂取量が減り続けています。
古代と違い住宅の気密性が高くなっているのも、有毒なカビの発生要因として懸念されています。
「腸」の対策
- 無闇に抗生物質を使わない
- 部屋の換気と加湿対策をする
- 発酵食品や食物繊維をとる
「自然」と「友人」とふれあう環境を
現代の環境と遺伝のミスマッチが大きいのは「自然」と「友人」です。
産業革命によって工場や鉄道が整備され都市の風景が激変し、今では人口の7割が都市部で暮らしています。
現代人にとっては当たり前の風景ですが、何万年ものあいだ緑豊かな環境に適応してきた人類にとっては異常事態なのです。
友人も同じです。
狩猟採集民の共同体には「見知らぬ人」は存在せず、孤独やコミュニケーション障害などは無縁です。
一方で現代人はここ数年でどんどん孤独をこじらせており、「コミュ障」といった言葉も普通に使われるようになっています。
「孤独と健康」に関する研究によると、人間の寿命を延ばす効果が最もあるのは「良好な社会関係」であり、禁煙よりも友人の方が効果が大きいことが明らかになっています。
「環境」の対策
- 自然との接触を増やす
- 友人とのコミュニケーションを増やす
ストレス回復には良質な睡眠
ストレスそのものは古代からありましたが、サバンナで突然出会う緊急の危機などの短期的ストレスがメインでした。
現代の慢性的ストレスに立ち向かうように人体はできていないのです。
大事なのは「睡眠の質」です。
良質な睡眠にはストレス回復効果があるからです。
本書では「良質な睡眠」を以下のように定義しています。
- 眠りに落ちるまで30分以内
- 夜中に起きるのは1回まで
- 夜中に目が覚めても20分以内に再び眠れる
- 寝床での睡眠が全体の85%以上
「ストレス」の対策
- メラトニンの分泌
⇒日中は太陽の光を浴びつつ夜は照明を暗くする - 昼寝の活用
⇒15分ほど目を閉じるだけでも効果あり - ウォーキング
⇒日没から心地よい疲れを感じるくらいが最適 - デジタル断食
⇒SNSなどは使用時間を決める
要約③:ぼんやりした「不安」が脳を蝕む
文明病のもう一つの要素は「不安」です。
現代が「不安の時代」であることは多くのデータが示しています。
1) 現代の不安は「ぼんやり」
厳しい環境で暮らす狩猟採集民たちも日常的な気苦労はありましたが、現代人の不安とは性質が違います。
- 原始的な不安 = はっきりした不安
- 現代的な不安 = ぼんやりした不安
といったところです。
不安が人体に及ぼす影響は主に4つ。
不安の影響
- 記憶力の低下
- 理性的な判断力の低下
- 死期を早める
- 不安が不安を呼ぶ
とはいえ「不安」における遺伝のミスマッチは何なのか?
著者はその答えを「未来の遠さ」と結論づけています。
- いつか体を壊すんじゃないか
- 将来お金がなくなるんじゃないか
- そのうち大地震で家がなくなるんじゃないか
どれも近い将来起こるかもしれないし、一生起こらないかもしれません。
元来人類に備わった「不安」は、あくまで目の前の危険への対策を促すためのシステムなので、未来のぼんやりした危険には対応していないのです。
2) 不安対策のカギは未来との距離感
すでに未来という概念を構築してしまった現代人が、今から原始の感覚を取り戻すのは不可能です。
唯一できることは「未来を今に近づけること」。
何をいってるんだコイツは・・。と思うかもですが、実際の時間の流れではなく未来との心理的な距離の問題です。
未来との心理的距離が近いほど不安に強く、セルフコントロール能力が高いことが、スタンフォード大学の研修で明らかになっています。
ダイエットを例に考えてみます。
- ケーキを食べたい今の自分と
- ダイエットに成功した未来の自分
未来との心理的距離が近い人ほどダイエットの成功をリアルに考えられるため、ケーキを我慢できるのです。
自分の価値観を見定める
未来との心理的距離を縮めるために必要なのは、自分の価値観を見定めることです。
なぜなら、現代特有の多様化した価値観は未来像をぼんやりさせるから。
狩猟採集民の価値観は「生きる・産む・育てる」という3つだけでしたが、現代は
- 有名になる
- 金持ちになる
- いい会社に入る
- 好きなことして生きる
挙げるとキリがないくらいライフスタイルが多様化しているわけです。
価値観を見定める具体的手法として、本書では下記メソッドを紹介しています。興味ある方はぜひ本編をご覧ください。
価値観を見定める方法
- 価値評価スケール・・12種類の人生ジャンルを記入
- パーソナルプロジェクト分析・・ケンブリッジ大学の自己分析メソッド
- ジョブクラフティング・・何のためにしてるのかを掘り下げる
『最高の体調』とあわせて読みたいオススメ本3選
①『「やりたいこと」の見つけ方』(八木 仁平)
- 好きなこと
- 得意なこと
- 大事なこと
この3つを掛け合わせて「本当にやりたいこと」を見つける本です。
自分の価値観を見定めるのにうってつけの本と言えるかもしれません。
-
『「やりたいこと」の見つけ方』の要約まとめ【自己理解のライザップ】
②『自分を操る超集中力』(メンタリストDaiGo)
メンタリストDaiGoさんの一番売れてる本です。
本書で紹介されている「集中力を生み出す7つのエンジン」は、最高の体調と絶妙にリンクすると思いました。
-
DaiGo著『自分を操る超集中力』の要約まとめ【誰でもデキる】
③『絶対にミスをしない人の脳の習慣』(樺沢紫苑)
精神科医でアウトプットモンスターでもある樺沢紫苑先生の本です。
ミスの原因は能力ではなく「脳の習慣」にある。
すなわち体調とミスは密接に関連するということ。
-
ミスが多い人の特徴・原因・対策【樺沢紫苑先生の脳の習慣から学ぶ】
まとめ:本書は「不要な苦しみ」を減らすための方法論
要点をまとめます。
- あらゆる不調の原因は進化のミスマッチによる「文明病」
- 文明病のメイン要素は「慢性炎症」と「ぼんやりした不安」
- 炎症対策には「腸・環境・ストレス」
- 不安対策は「価値観を定めつつ未来を近づける」
最後に、「人間の体は幸せになるためにデザインされてるわけじゃない」ということを知っておきましょう。
なぜなら、すべての生物は「長寿と繁栄」を目指して環境の変化に適応してきたからです。
後世に遺伝子を残せれば手段は問わないため、個人の幸福など気にもかけてくれないということ。
本書はあくまで遺伝のミスマッチが引き起こした「不要な苦しみ」を減らすための方法論です。
「炎症」と「不安」から逃れて最高の体調を手に入れたい方は、いちど本書を手にとってみることをオススメします。
サクッと読みたい方にはマンガ版もあるのでよかったらどうぞ。
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-
【聴く読書】Audible(オーディブル)ってどんなサービス?
今回は以上です。