この記事で分かること
- 敏感な人が抱えやすい心の問題が分かる
- 敏感な人の能力が分かる
- 鈍感な人たちとうまく付き合う方法が分かる
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それでは見ていきましょう。
もくじ
『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』の基本情報【HSPは資質】
まずは『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』の基本情報について見ていきます。
書名 :鈍感な世界に生きる敏感な人たち
著者 :イルセ・サン
出版月:2016/10/22
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン
定価 :¥1,650 (税込)
著者であるイルセ・サン氏のプロフィールはコチラです。
心理療法士。デンマークのオーフス大学で神学を学び、C・G・ユングとキルケゴールに関する修士論文を執筆。また、いくつかの心理療法的アプローチの訓練を受けており、デンマークの心理療法協会の会員でもある。数年間、デンマーク国教会の教区司祭を務め、現在はスーパーバイザー、トレーナー、講演者、セラピストとして活動している。
-Amazon著者情報より抜粋-
敏感な人は「HSP(HighlySensitivePerson)」とも呼ばれ、およそ5人に1人がHSPだと言われています。
HSPは生まれ持った資質であり、決して病気ではありません。
HSPは不利なことばかりじゃなく有利なこともたくさんあるので、そういった部分にもフォーカスしつつ、HSPについて紐解いていきましょう。
『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』の要約【繊細さを受け入れる】
それでは、『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』の内容を3つのパートに分けて要約していきます。
- 敏感な人が抱えやすい心の問題
- 敏感な人の能力
- 鈍感な人たちとうまく付き合う方法
順番に見ていきましょう。
要約①:敏感な人が抱えやすい心の問題
1) 自分自身に高度な要求をしてしまう
「気遣い」や「責任」という面で、HSPは自分に高い基準を儲ける傾向があります。
- 自己中であってはいけない
- ベストを尽くさなくてはいけない
と考えるため肩の力が抜けず、社交の場に長時間いることは大きな負担になります。
高い基準を設ける要因は「自尊心の低さ」にあります。
2) 恐怖心が強い
想像力が豊かなHSPは新しい可能性を考えるのが得意です。
そのため、物事が悪い方向へ向かう可能性も見えてしまい不安を募らせやすいのです。
恐怖の程度は、ちょっとした不安から激しいパニックまで様々ですが、恐怖心のおかげでトラブルや失敗を回避できている面もあります。
3) 怒りをうまく放出できない
HSPは「怒り」を好みません。
ちょっとした喧嘩でもHSPの繊細な神経のバランスを乱すことになり、その後バランスを整えるのに長い時間がかかってしまいます。
問題は、喧嘩した時にHSPの人は相手の感情まで敏感に察知する点にあります。
自分が誰かを傷つけてしまったとき、共感力が高いHSPは相手の痛みで自分自身も傷ついてしまうのです。
その痛みが罪悪感や羞恥心につながることもあります。
要約②:敏感な人の能力
HSPの人が持つ敏感な性質は人生に不都合をもたらすこともありますが、平穏な環境下ではほかの人よりも幸福を感じやすかったりします。
1) 一度に多くの情報を吸収できる
敏感な神経を持つHSPは細かいところまで感じ取り、さまざまな思考や空想を広げて心の奥深くまで届きます。
- 芸術や音楽を鑑賞したり
- 花の香りを嗅いだり
- 美味しいものを食べたり
などの”心地よい刺激”は心を高揚させ喜びで満たしてくれます。
2) 深く多角的に考えられる
HSPはひとつの物事を多角的に捉えることができるため、ほかの人よりもじっくり考える時間が必要になります。
その代わり、よく考えることで独創的な発言や行動ができるのが特徴です。
3) 慎重で危機管理能力が高い
HSPはよく考えてから行動します。
- もし相手がノーならこう言って・・、
- もし相手が喜んだら今度は・・、
という風に、あらゆる結果を想定しておくので危機管理能力が高く失敗を回避しやすいのが特徴です。
とはいえ、見方を変えると「リスクを考えすぎてなかなか行動できない」という欠点にもなります。
4) 共感力が高く気配り上手
共感力が高いHSPは、他人に感情移入するのが得意です。
そのため、相手の気持ちを察することができ、とても気が利きます。
また誠実で責任感が強い面もあり、サービス業や人をサポートする職業に多くのHSPが身を置いているそうです。
要約③:鈍感な人たちとうまく付き合う方法
1) 周囲の人に自分がHSPであることを伝える
- 自分は何を必要としているのか
- 何に秀でているのか
- 何がうまくできないのか
を周囲に伝えます。
真剣に受け止めてもらえず病的な人と思われることもあるかもしれませんが、5人に1人はHSPです。
周囲に伝えることで「あ、私も」という人も出てきて、鈍感な人の中にも飛び込みやすくなるかもしれません。
2) 自分の限界に境界線を引く
限界点の低いHSPは、自分の限界点を受け入れつつ断り上手になることが大事です。
自分がどこまでなら許容できるか境界線を引いておき、超えそうな時は「NO」を言いましょう。
境界線を引かないと、限界に達するまで過剰な刺激を受け続けることになります。
「NO」をいうことは簡単ではありませんが、適切な環境になればHSPはほかの人よりもうまくやれる能力があるのです。
3) 会話の中で自己表現する
HSPは相手の話に共感するのが得意なので、不満をグチりたい人たちの気持ちのはけ口にされがちです。
そのため、自分のエネルギーを相手に使い果たされることも少なくありません。
聞き役になることが多いHSPに大事なのは、相手の言葉に耳を傾けつつ自分の言葉もちゃんと相手に聞いてもらうこと。
言葉のキャッチボールはお互いにとって大事なことです。
『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』の感想
僕は最近まで「HSP」という言葉を知りませんでしたが、騒音が苦手でひとりの時間が好きなので「もしかしてHSP?」と思い本書を読んでみました。
本書の先頭にある「HSPチェックテスト」をやってみたら20点(60点以上でHSP)だったので自分はあまり当てはまりませんでしたが、多くの学びがあったのは事実です。
本書を読むことで、
- 自分てHSPだったんだ。
- こういう人が20%もいるんだ
といった気づきが得られる人はたくさんいると思います。
大抵の人は「自分が普通」と思ってるそうですが、「自分の当たり前が相手の当たり前とは限らない」ということがよく分かる1冊です。
まとめ:自尊心を持ちつつ堂々と「NO」と言おう
まとめます。
- 自尊心が低いHSPは心に負担がかかりやすい
- 平穏な環境下では想像力や共感力がプラスにもなる
- HSPである自分を受け入れて自己開示すると楽になる
敏感という性格に注目することで「正常」の概念が広がります。
タフで外交的でエネルギッシュな人だけが「正常」ではないのです。
HSPには、ほかの人にはない才能や資質が備わっているので自尊心を持ちつつ、堂々と「NO」と言いましょう。
「自分て敏感かも」「あの人って敏感かも」と思った方は、いちど本書を手にとってHSPへの理解を深めてみることをオススメします。
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今回は以上です。