そんな疑問に答える記事です。
この記事で分かること
- 嫌われる勇気の内容(ざっくり)
- 嫌われる勇気はこんな人におすすめ
それでは見ていきましょう。
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もくじ
嫌われる勇気の内容
まず、本編導入部分がとても分かりやすかったので引用します。
本書は、フロイト・ユングと並び心理学の3大巨塔と称されるアルフレッド・アドラーの思想(アドラー心理学)を青年と哲人の対話編という物語形式を用いてまとめた1冊です。
欧米で絶大な支持を誇るアドラー心理学は、”どうすれば人は幸せに生きることができるか”という哲学的な問いに極めてシンプルかつ具体的な答えを提示します。
この世界のひとつの心理とも言うべきアドラーの思想を知ってあなたのこれからの人生はどう変わるのか、もしくは何も変わらないのか。
さあ、青年と共に扉の先へと進みましょう。
登場人物は2人だけです。
- アドラー心理学マスターの「哲人」
- 人に嫌われるのが怖い悩める「青年」
※名前すら出てきません。
”世界はシンプルで人は誰しも幸せになれる”と説く哲人に対して、それを論破しようとする青年との議論で話が進んで行きます。
議論の内容は大きく5つ。
- トラウマなどない
- 全ての悩みは対人関係
- 自由とは嫌われること
- 対人関係のゴールは共同体感覚
- 幸福とは貢献感
ひとつずつ深堀しますね。
1.トラウマなどない【原因論⇒目的論】
- いじめが原因で引きこもりに
- 親の離婚が原因で結婚できない
- 彼氏のDVが原因で男性不信に
ありそうな話ですが哲人はこのような”トラウマ(原因論)”を完全否定しています。
いじめられっ子が全員引きこもっているわけではない、ということですね。
いじめられた過去が引きこもりという未来を”決定”しているわけではない、変わることは可能だと言います。
ではなぜ引きこもってるのか、それは外に出ないことで、
- 社会との関りを避けつつ
- 親が面倒を見てくれる
こんな状況を作るためにトラウマを作り出し利用しているという考えです。(目的論)
では感情にも目的論が言えるのか。
先日、青年は自分の大事な洋服にコーヒーをこぼしてしまったウェイターに怒鳴りつけてしまったそう。この”怒りの感情”は原因ありきの行動だと青年は言います。
ですが哲人は、「じゃあもし刃物を持ってたらウェイターを刺してたの?怒りの感情に逆らえないなら刺すということ。」
さすがに刺すはずはありません。
つまり、青年は立場の弱いウェイターを屈服させるために怒りの感情を作り出しただけだ。(目的論)
例えば、怒鳴ってる最中に別の人から電話がかかってきたら一旦怒りを引っ込めるはずです。
感情は出し入れ可能な道具という事です。
2.全ての悩みは対人関係【承認欲求は不要】
また、青年は哲人にこう訴えます。
- 卑屈で他人の目線ばかり気にしてる自分が嫌いだ
- ヒマワリのような人気者のY君みたいになりたい
ですが哲人は、
それは人間関係で傷つかないという目的を達成するために「自分のことを嫌いになる」という手段を使っているだけだ
と一刀両断します。これも目的論ですね。
自分を嫌いでいれば他者から拒絶されても「こんな自分だからしょうがない」と納得させられると。
- 何が与えられてるかではなく
- 与えられたものをどう使うか
これが大事ということ。
という意見が出ますがそれは多少の不憫があっても今のままの方が楽なので変わらないと決めているだけ。
つまり幸せになる勇気がないだけだと。
- 過去や環境のせいでも
- 自分の能力のせいでもなく
- ただ勇気が足りない
それだけのこと。
もしも○○だったらとか言ってたら一生変わらないということ。
宇宙の中で自分ひとりなら、
- 孤独という悩みも
- お金がないという悩みも
- 背が低いという悩みも
生まれないと言います。
なぜなら全ての悩みは対人関係の悩みだから。
とはいえ宇宙の中で一人なんてあり得ないわけで、対人関係で傷つかないこともあり得ません。
そもそも人生は他者との競争ではありません。対人関係の軸に”競争”があるとそこには必ず優劣が生まれ悩みが生まれます。
健全な劣等感は、
- 他者との比較ではなく
- 理想の自分との比較
から生じるもの。
大事なのは、縦(上下関係)ではなく横(仲間)の関係なのです。
「人間は同じではないけど対等」と哲人は語っています。
3.自由とは嫌われること【課題の分離】
他者を仲間とみなしつつも、他者の期待に応える必要はない(承認欲求はいらない)と哲人は言います。
なぜなら、人は他
他者の視線を気にして他者の望みを叶えながら生きることは、
- 極めて不自由であり
- 嘘をつき続ける生き方
なのです。
じゃあ自分勝手に振る舞えってか?、と思うところですがココで大事なのが『課題の分離』になります。
馬を水辺に連れて行くことはできるが、水を飲ませることはできない
という考え方。飲むか飲まないかは馬次第という割り切りですね。
- 水を飲ませる行為も
- 飲まないことに苛立つことも
してはいけません。
対人関係のトラブル
他者の課題を切り捨てることが人生をシンプルにする第一歩なのです。
別に身勝手に振る舞えという話ではなく、自分を嫌ってる人がい
- 誰からも嫌われないように不自由に生きるか
- 他者から嫌われることを恐れず自由に生きるか
どっちがいいの?という話です。
積極的に嫌われろということではなく、自由に生きるには嫌われる勇気が必要なのです。
4.対人関係のゴールは共同体感覚【他者への関心】
全ての悩みは対人関係ということは、幸福の源泉も対人関係にあります。
- そのスタートが「課題の分離」で
- ゴールは「共同体感覚」である
と哲人は言います。
共同体感覚とは、他者を仲間とみなしそこに自分の居場所があると感じられること。
そのためにはまず『自己への執着』から『他者への関心』へ踏み出す必要があります。
承認欲求は?
他者に認められたいという承認欲求は「他者への関心」じゃないのか?という疑問が出ますが、哲人に全否定されます。
- 他者がどれだけ自分に注目し
- 自分を評価してくれて
- 自分の欲求を満たしてくれるのか
そんな考えは完全に「自己への執着」なのだと。
そして、他者への関心へ踏み出す具体的な考えとして2つ挙げています。
①自分は共同体の一部であって中心ではない
そもそも共同体とは、家族・職場といった小さな枠組みに始まり国家・地球・宇宙に至るまで、広げていくと無限大です。
このとき共同体を”世界地図”のように考えると「自分」という国を中心に置いて考えてしまいます。
そうではなく、”地球儀”のように考えれば誰もが中心になれるということ。
②褒めてはいけない
”褒める”という行為、一見よさそうですが能力のある者が能力のない者に下す評価であり縦の関係の象徴なのです。
また、褒められようとする考えも
- 承認欲求から抜け出せず
- 縦の関係に依存しており
- 褒めるかどうかは他者の課題
なのでやってはいけません。
必要なのは”褒める”ではなく”感謝する”(横の関係)ということ。
5.幸福とは貢献感【オレはチームの主役じゃなくていい】
他者を仲間とみなしそこに自分の居場所があると感じられることが共同体感覚であり対人関係のゴール。
そのために必要なのは以下の3つです。
- 自己受容
- 他者信頼
- 他者貢献
順番に見ていきましょう。
① 自己受容
ありのままの自分を受け入れつつ、与えられたものをどう使うかということです。
自己肯定とは違う
- 自己肯定・・出来ないのに出来ていると自らに暗示をかけること
- 自己受容・・出来ない自分を受け入れ出来るように前進すること
大事なのは、変えられないものに執着してもしょうがないので変えられるものに着目するという考え方です。
② 他者信頼
他者を仲間とみなし無条件に信じるということです。
信用とは違う
- 信用・・条件付きで信じること(credit)
- 信頼・・無条件で信じること(trust)
その考えはまだ課題の分離と横の関係ができていない(他者を仲間と見なせていない)証拠です。
裏切るかどうかは他者の課題であり自分がどうするかだけ考えればいいわけで、それを恐れて居いたら誰とも深い関係を築けないという話です。
「裏切らないなら与えましょう」では信頼じゃなくて信用になります。
とはいえ、他者信頼は横の関係を築いて対人関係を良好にする手段なので、もし良好な関係を結ぶ必要がない相手ならハサミで断ち切っていいんです。
なぜなら断ち切るかどうかは「自分の課題」だから。
③ 他者貢献
仲間である他者に対して何らかの貢献をしようとすることです。
「ココに居てもいいんだ」という所属感が共同体感覚に繋がるわけですね。
他者貢献はあくまで自分の幸福のための手段なので自己を犠牲にする必要はありません。自己犠牲は他者の期待を満たす考えなので承認欲求に繋がってしまいます。
他者を仲間と考えると自己犠牲も偽善の念も生まれないはずです。
例えば家事をしているお母さんに偽善の気持ちはないはず、それと同じですね。
一生遊んで暮らせるくらい巨万の富を築いたのに慈善活動に尽力する富豪なんかも他者貢献になります。
でもって、この”誰かの役に立てている”という『貢献感』こそが幸福の源泉だと言います。
なお、『貢献感』はあくまで主観的な感覚(自分が貢献してると思えるか)でいいのです。
なぜなら貢献しているかどうかを判断するのは他者の課題だから。
という事で、人は『貢献感』さえ持てれば誰しも幸せになれるというのがアドラー心理学の答えなのでした。
まとめ:嫌われる勇気を持つかどうかはあなたの課題
最後に、内容をよりギュッとまとめるとこんな感じかと。
対人関係のゴールは共同体感覚(他者を仲間とみなしそこに自分の居場所があると思えること)であり、「貢献感」が必要。
そのための手段として
- 他者貢献
- 他者信頼
- 自己受容
の3つがあり「課題の分離」はその第一歩。
課題の分離ができるようになるには自己への執着から他者への関心(横の関係)に切り替えなくてはいけない。
そして自己受容ができるようになれば承認欲求は必要なくなりトラウマも生まれない。
- 過去に何があろうが
- 自分の能力が低かろうが
- 嫌われる勇気を持てれば
人は変われる(幸せになれる)ということでした。
「何を言ってるんだコイツは」と思ったかもですが、詳しくは哲人が分かりやすく説明してくれているので本編を読んでみてください。
僕自身、この本を読んだらいい意味で対人関係の考え方がガラリと変わりました。
「嫌われる勇気」はこんな方におすすめ
- 対人関係に悩みがちな人
- 子育てに悩んでる人
- 過去のトラウマに悩んでる人
- 劣等感が強い人
- 他者の視線が気になる人
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今回は以上です。