この記事で分かること
- 不老長寿の大原則が分かる
- 「苦痛」を与える不老長寿メソッドが分かる
- 「回復」の不老長寿メソッドが分かる
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それでは見ていきましょう。
もくじ
『不老長寿メソッド』の基本情報【王道の先端】
まずは『不老長寿メソッド』の基本情報について見ていきます。
書名 :不老長寿メソッド 死ぬまで若いは武器になる
著者 :鈴木 祐
出版月:2021/2/3
出版社:かんき出版
定価 :¥1,650 (税込)
著者である鈴木祐氏のプロフィールはコチラです。
新進気鋭のサイエンスジャーナリスト。1976年生まれ、慶應義塾大学SFC卒業後、出版社勤務を経て独立。10万本の科学論文の読破と600人を超える海外の学者や専門医へのインタビューを重ねながら、現在はヘルスケアや生産性向上をテーマとした書籍や雑誌の執筆を手がける。
自身のブログ「パレオな男」で心理、健康、科学に関する最新の知見を紹介し続け、月間250万PVを達成。近年はヘルスケア企業などを中心に、科学的なエビデンスの見分け方などを伝える講演なども行っている。
著書に『最高の体調』(クロスメディア・パブリッシング)、『ヤバい集中力』(SBクリエイティブ)他多数。
-Amazon著者紹介情報より抜粋-
本書で紹介している不老長寿メソッドは
- 常識を覆すようなテクニックでも
- 忍耐のメカニズムをハックする奇策でも
ありません。
既知の情報を限界まで深掘りした「王道の先端」だと著者は言います。
『不老長寿メソッド』の要約【苦痛&回復をぶん回せ!】
それでは、『不老長寿メソッド』の内容を3つのパートに分けて要約していきます。
- 不老長寿メソッドを「知る」
- 適度な「苦痛」を与える不老長寿メソッド
- 不老長寿メソッドに必要な「回復」
順番に見ていきましょう。
要約①:不老長寿メソッドを「知る」
1) すべての不老長寿メソッドに共通する大原則
まずは不老長寿メソッドの大原則を抑えておきましょう。
あらゆるアンチエイジング法も、根っこの部分は共通しています。
不老長寿メソッドの大原則
- 苦痛・・心と体へ意図的にダメージを与える
- 回復・・受けたダメージを徹底的に癒やす
- 往復・・苦痛と回復のフェーズを繰り返す
2) 適度な「苦痛」でホルミシスを”発動”させる
「苦痛」のわかりやすい例は運動です。
運動が体に良いことは言うまでもありませんが、なぜ体を動かすと健康になるのか?
その最も有力な考えが「ホルミシス」という心身の若返りシステム。
ホルミシスとは
多すぎれば有害だが、少量なら有益に働く作用のこと。
- ハードな運動はケガにつながるが
- 適度な運動は不老長寿にいい
ということ。
3) 攻めの「回復」でホルミシスを”実行”する
適度な苦痛を与えたら、徹底的に休む必要があります。
筋トレがわかりやすい例です。
筋肉を増やすには、トレーニングで筋繊維を傷つけた後に十分な休息と栄養補給が欠かせません。
また、肉体だけでなく精神の回復(ストレス対策)も重要です。
ストレス対策にもっとも必要なのは「コントロール感」だと言われています。
コントロール感
自分には明確な目標があり、達成のために何をすべきかわかっている状態
例えば次のようなものです。
- 新たなスキルの習得
→外国語や楽器など、未体験の技術を学ぶ - 友人との交流
→日常の問題やストレスについて語り合う - 他者への親切
→ボランティアや友人へのアドバイスなど
休んでねぇじゃん!と言われそうですが、本当に効果的な休息は”攻め”の姿勢を持っているのです。
要約②:適度な「苦痛」を与える不老長寿メソッド
では、”正しく苦しむ”ための方法を「運動」「食事」「ストレス」の3つから見ていきます。
1) 【運動】プログレス・エクササイズ
プログレス・エクササイズとは、段階的に負荷を上げていく運動法のことです。
段階的に「苦痛」を高めつつホルミシスの発動を促すことで、次のような効果があります。
- 見た目の若返り
→定期的に運動している人は、皮膚バリアの「角質層」が厚く、肌の水分やコラーゲン量が多くなることが確認されています。 - テロメアの維持
→テロメアは細胞の老化を防ぐキャップのようなもので、運動とテロメアの長さに関係性が認められています。 - 脳機能の改善
→記憶力や創造性を司る「海馬」が運動により大きくなることが確認されています。
とはいえ、不老長寿のメリットを享受するために必要なのは、身体が耐えられる苦痛の限界値を少しずつ上げていくこと。
プログレス・エクササイズは7段階で徐々に難易度が上がるように設計されています。
プログレス・エクササイズ
- プラセボ・トレーニング
→「いつもの行動」の運動量を意識する - NEATスコアリング
→日常の活動量を増やす - HIIPA
→日常的な活動に負荷を与える - ウォーキング
→1日20〜30分歩く - インターバル速歩
→「ゆっくり3分→素早く3分」を繰り返す - SITプロトコル
→「全力で動く→休む」を繰り返す - HIITIWB
→全身高強度インターバルトレーニング
2) 【食事】AMPK食事法
続いて、食事によって身体の内側からホルミシスを起動させます。
AMPKは「代謝のマスタースイッチ」とも呼ばれ、エネルギー不足になると全身の細胞に「肉体を効率よく使え」と命令する重要なメカニズムです。
AM PK食事法
- ポリフェノールの増量
→スパイス・ハーブ・コーヒーから摂取 - 含硫化合物の増量
→ショウガ・ニンニクブロッコリーから摂取 - 90分ファスティング
→朝食を90分遅く、夕食を90分早く - TRF
→早い時間に食事を限定する - パーシャル断食
→週3日の摂取カロリーを抑える - ミミック・ファスティング
→月5日だけカロリーを減らす - 日替わりファスティング
→1日おきに断食を繰り返す
AMPK食事法も7つの段階的メソッドが設けられていますが、ポイントは2つです。
- 「軽微な毒物」の導入
- 「断食」の実践
「断食」というとダイエットのイメージが先行しますが、一定期間カロリーを絶つことでAMPKが発動し若返り機能を動かし始めるのです。
3) 【ストレス】エクスポージャー
運動と食事で肉体的に苦痛を与えたら、今度は精神的苦痛を与えましょう。
と思うかもですが、ストレスには「老けるストレス」と「若返るストレス」があります。
- 老けるストレス
→人間関係や人生の不安などが繰り返される慢性的な負荷 - 若返るストレス
→目標に向かって努力してるときに味わう緊張感や不快感
老けるストレスはコルチゾールというホルモンを増やし、とろ火で煮込むかのように全身の機能を低下させていきます。
一方で、若返るストレスはマラソンやダイエットなどの前向きな不快感であり、脳に程よい刺激を与えホルミシスを発動させます。
と言いたいとこですが、上達するための努力は少なからず「不快感」をもたらすもの。
そこで脳に苦痛を与えるのに役立つのが「エクスポージャー」という技法です。
下記5ジャンルについて自分が日常的にどのくらい苦痛を与えているかを判断し、一番リスクを取ってない部分から攻めていきます。
- 身体的リスク
- 感情リスク
- 社交リスク
- 知的リスク
- 経済的リスク
判断は個人の主観で構いませんが、ポイントはちょっとだけ耐えられる不快感に身をさらすこと。
- 家族に悩みを打ち明ける
- 飲み会で乾杯の挨拶をする
などなど、軽く心がざわつくレベルの小さな行動からチャレンジしてみましょう。
要約③:不老長寿メソッドに必要な「回復」
続いて、”正しく癒える”ための方法を「栄養」「睡眠」「美肌」「メンタル」の4つから見ていきます。
1) 【栄養】クオリティ・ダイエット
クオリティ・ダイエットとは、カロリーの量ではなく「質」にこだわる食事法を言います。
「低糖質」や「ヴィーガン」など、世の中にはさまざまな食事法が存在しますが、ベースにあるポイントは「カロリーの質」なのです。
「カロリーの質」が高い食品の共通点は以下4つ。
- 満足度:どれだけ素早く満腹感を与えてくれるか
- 栄養価:ビタミン・ミネラルなどがどれだけ含まれるか
- 吸収率:どれだけのスピードで体脂肪に変わるか
- 効率性:摂取カロリーのうち、どれだけの量が体脂肪に変わるか
つまり、満足度と栄養価が高く体脂肪になりにくい食品が高品質ということ。
クオリティ・ダイエットも、段階別で徐々に難易度が上がるよう設計されています。
クオリティ・ダイエット
- クオリティのちょい足し
- 「地中海食」を取り入れる
- 炭水化物を極める
- 肉と魚を正しく食べる
- 油と脂肪にこだわる
本書では、クオリティ・ダイエットに関するメソッドが数多く紹介されていますが、個人的に気づきだったのは「タンパク質は高温調理によって酸化が進み人体に悪影響を及ぼす」ということ。
2) 【睡眠】マルチプル・レスト
ぐっすり眠るためには、
- 適切な栄養
- 寝室の環境
- 眠りに対する解釈
といったあらゆる要素が絡んでいることが分かっています。
マルチプル・レストは上記の視点から段階的に改善を行い、睡眠の質のベースラインを上げていきます。
マルチプル・レスト
- スリープ・チェックリスト
→快眠の基礎を押さえる - 快眠環境フィックス
→寝室は18℃ - 快眠行動フィックス
→入浴や食事を快眠につなげる - 睡眠認知フィックス
→瞑想や睡眠日記
3) 【美肌】世界標準メンテナンス
皮膚は人間の持つ最大の臓器です。
年齢が表れやすい部分でもあり、放置すれば肌はどんどん劣化してしまいます。
世の中にはあらゆる美容法やグッズが出回っていますが、本当にやる価値のあるスキンケアは3つしかありませんでした。
- 保湿する
- 日焼け止めをする
- 肌のターンオーバーを促す
4) 【メンタル】デプログラミング
不老長寿の世界では「幸福な人ほど長生きする」という格言があります。
科学的な理由ははっきりしてませんが、研究者は3つのポイントを重視しています。
- 活動的になり無意識のうちに運動量が増える
- 不幸が起きてもすぐ復帰する
- ストレスが減り免疫システムが改善される
つまり、根拠はなくても「未来は明るい」と思えれば不老長寿につながるということ。
デプログラミングは、老化に対する悪印象を和らげることで「未来を明るくする」のが狙いです。
デプログラミング
- 外見チェックを減らす
- SNS断食
- 「若作り」をする
- マインドボディ・ワーク
- ポジティブ・ボディイメージ
『不老長寿メソッド』の感想【不老長寿民族サイヤ人】
たった1,650円でこれほどの情報を与えてくれるのか、と思える1冊です。
睡眠・食事・運動など、”健康の王道”的な要素に目新しさはないものの、軽い苦痛を与えてホルミシスを発動させるという根本原則が学べたのはとても有益でした。
すべてを実践するのはとても無理ですが、自分にできそうなものにひとつでも取り組めると、身体に変化が表れそうですね。
「苦痛と回復を繰り返す」
勘のいいアナタならもうお気づきかもしれませんが、これはまさにサイヤ人の成長原理そのもの。
個人的に新たな気づきだったのは、ストレスを「老けるストレス」と「若返るストレス」に分ける考え。
ブログを書くのしんどいな・・。という時もありますが、「目標に向かってるときに味わう不快感」と思えば不老長寿まっしぐらかもしれませんね。
『不老長寿メソッド』とあわせて読みたいオススメ本3選
①『LIFESPAN(ライフスパン)』(デビッド・A・シンクレア)
こちらも「老い」がテーマの1冊。
『不老長寿メソッド』とカブるところもありつつ、LIFESPANが面白いのは「老化そのものが病である」という主張です。
- 歳をとって老いていく
- これは自然で逆らえないこと
そう思っていた自分の常識を覆す内容になってます。
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『LIFESPAN(ライフスパン)』の要約【もう老けない!!】
②『習慣が10割』(吉井雅之)
そんな人にオススメしたい1冊です。
意志の力に依存せず、自然と行動できるようになるのは「習慣化」するのが最も合理的ではないでしょうか。
- 習慣を味方につければ、自分の人生を歩むことができる
- 習慣は、資格や教養をはるかに超える強力な武器になる
と著者の吉井さんは主張します。
-
『習慣が10割』の要約まとめ【「継続」で人生を変える最強スキル】
③『超筋トレが最強のソリューションである』(Testosterone)
「筋トレで人生は好転する」
それはなぜか?ということを、科学的根拠の中にちょっとしたユーモアも交えつつ、とても分かりやすく解説してくれる一冊です。
筋トレの素晴らしさをこれでもか!というほど見せつけられ、ダンベルを持ち上げずにはいられなくなるはず。
「筋肉いい生活」は「人間にいい生活」
筋肉を追い求めると、不老長寿に近づきます。
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『超筋トレが最強のソリューションである』の要約【人生が好転する】
まとめ:「若さ」と「時間」はお金で買えない
まとめます。
- 不老長寿メソッドを「知る」
→苦痛と回復を繰り返す - 適度な「苦痛」を与える不老長寿メソッド
→軽微な毒物がホルミシス効果を発動する - 不老長寿メソッドに必要な「回復」
→質のいいカロリーと睡眠を
「若さ」も「時間」もお金では買えませんが、不老長寿メソッドはお金で買える時代になりました。
「動ける100歳」になりたい方は、いちど本書を手にとってみることをオススメします。
AmazonのオーディオブックAudibleの無料体験で聴くこともできるので、フルで楽しみたい方はどうぞ。
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【聴く読書】Audible(オーディブル)ってどんなサービス?
今回は以上です。