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『おカネの教室』の要約まとめ【父が娘に送る「学べる小説」】

『おカネの教室』の要約まとめ【父が娘に送る「学べる小説」】

 

『おカネの教室』の要約が知りたい。
お金を手に入れる6つの方法が知りたい。
そんな疑問に答える記事です。

 

この記事で分かること

  1. 「かせぐ」「むすむ」「もらう」の違いが分かる
  2. 「かりる」と「ふやす」に必要なものが分かる
  3. お金を「つくる」とはどういうことか分かる

 

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それではいってみましょう。

 

 

『おカネの教室』の基本情報【父が娘に送る「学べる小説」】

まずは『おカネの教室』の基本情報について見ていきます。

書名 :おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密
著者 :高井 浩章
出版月:2018/3/16
出版社:インプレス
定価 :¥1,760 (税込)

 

著者である高井浩章さんのプロフィールはコチラです。

1972年、愛知県出身。経済記者・デスクとして20年超の経験をもつ。専門分野は、株式、債券などのマーケットや資産運用ビジネス、国際ニュースなど。三姉妹の父親で、初めての単著となる本書は、娘に向けて7年にわたり家庭内で連載していた小説を改稿したもの。趣味はレゴブロックとスリークッション。

-Amazon著者情報より抜粋-

 

  • 面白い物語を読んでるだけで
  • お金や経済の仕組みがわかる本

を3人の子供たちに読ませたいと考えた著者が、7年かけて家庭内連載していた小説を書籍化したのが本書です。

 

とはいえ、おとなが読んでも楽しめる1冊ですよ。

 

 

『おカネの教室』の要約【お金を手に入れる6つの方法】

それでは、『おカネの教室』の内容を3つのパートに分けて要約していきます。

  1. 「かせぐ」「むすむ」「もらう」
  2. 「かりる」と「ふやす」
  3. お金を「つくる」ということ

順番に見ていきましょう。

 

要約①:「かせぐ」「むすむ」「もらう」

1) 「かせぐ」「むすむ」「もらう」の違い

3つの境界線は、「世の中の役に立つかどうか」です。

  • かせぐ・・世の中の役に立つ
  • むすむ・・世の中の役に立たない
  • もらう・・どちらでもない

 

本書では、世の中を”公園”に例えて説明しています。

  • かせぐ・・公園を来た時よりキレイにする人
  • むすむ・・公園を来た時より汚す人
  • もらう・・自分のゴミは片付ける人

 

2) 職種や業種だけでは区別できない

ただし、ただ単純に職種や業種で「かせぐ」「むすむ」を区別してはいけません。

例えば、同じ生活保護受給者であっても、

  • 正当に受給してるなら「もらう」
  • 不正に受給してるなら「むすむ」

と言えるわけですね。

 

では、銀行家はどうでしょう?
※銀行員(事務員)ではなく、バンカー(専門的な金融業を担う人々)です

  • お金を預ければ預金者は利息がもらえる
  • 集めたお金を融資すれば会社や個人がお金を使える

という役割を考えると、銀行は世の中の役に立つ組織であり、なかったら世の中が回らないくらい重要です。

ただ、だからと言って銀行家のやることがすべて役に立っているとは限りません

 

3) リーマンショックはなぜ起きた?

2008年、リーマンブラザーズという名門銀行が破綻しました。

この原因は、銀行が低所得者に返せっこない住宅ローンを貸しまくったからです。

 

問題は、その返せっこない債権を証券化して、世界中の投資家にばらまいたこと。

貸したお金を責任持って返してもらう銀行の本業を放棄して、貸倒のリスクを他人に押し付けたわけですね。

しかも、優秀な銀行家たちは「こんなのいつか破綻する」とわかっていながらやってます。

なぜなら儲かるから。

 

4) 他人のふんどしで相撲をとる

えっ⁉︎ 貸し倒れしても銀行は儲かるの?
銀行は儲かってませんが、銀行家は儲かるんです。

某銀行のトップはリーマンショック直前に数十億のボーナスをもらってるそうです。

リーマンショックが起きた時、世界中でお金の大渋滞が起き、世界恐慌の一歩手前まで行きましたが、国が銀行の借金を肩代わりする形で食い止められました

国のお金は「国民の税金」ですよね。

 

つまり、一部の銀行家は他人のふんどしで相撲を取っていたということ。

  • 勝ったら大儲けできて
  • 負けても国のお金(税金)で救済される

とても世の中の役に立ってるとは言えませんね。

 

要約②:「かりる」と「ふやす」

1) 「かりる」「ふやす」は表裏一体

AさんがBさんに年利3%で100万円貸して、1年後に103万円を返済したとします。

Aさんにとっては100万円のお金が3万円のお金を生み出している。

俗に言う「お金がお金を生むマジック」ですね。

 

一方のBさんは、3万円の利息を払う代わりに、100万円でそれ以上の価値を生み出す何かをする。

これが「かりる」と「ふやす」の本質と言えます。

借金を踏み倒すと「ぬすむ」になりますね。

 

2) 貸すも親切、貸さぬも親切

表裏一体である「かりる」「ふやす」が成り立つには条件があります。

それは、利息というコストを吸収できるだけの「かせぐ」の裏付けです。

借り手

  • 現在 お金が足りない
  • 将来 利息をつけて返済できる

貸し手

  • 現在 お金が余ってる
  • 将来 お金に利息がつくと嬉しい

 

重要なのは、借り手と貸し手に「合理的で理性的な合意」があること。

それがない限り、お金は借りるべきでも貸すべきでもありません。

 

3) 合理的で理性的な合意

合理的で理性的でない借金とはどういうものなのでしょうか?

  • 今すぐ新製品が欲しくてリボ払いで買う
  • タワマンに一目惚れして無理なローンを組む
  • ギャンブルで負けがこんで一発逆転を狙う
  • とにかく1,000万円用意しないと会社が潰れる

理由はさまざまですが、借金には合理性と理性を奪う魔力があります

理性を失った人間に高金利でお金を貸すのが闇金ですね。

借り手が身を滅ぼすような融資は「ぬすむ」に分類されます。

 

要約③:お金を「つくる」ということ

1) 信用創造

お金を「つくる」とは一体どういうことなんでしょう。

例として、以下のような流れを想像してみてください。

  • 100万円をA銀行に預金する
    →A銀行の預金残高=100万円
  • A銀行は90%(90万円)をZさんに貸す
  • Zさんは90万円をB銀行に預ける
    →B銀行の預金残高=90万円
  • B銀行は90%(81万円)を Yさんに貸す

 

これを繰り返すと、元のお金は100万円でしたが、銀行全体の預金合計額はじわじわ増えていきます。

S銀行あたりで預金残高の合計は900万円になるんです。

 

この銀行のネットワークがお金を生み出す仕組みを「信用創造」と言います。

 

2) 経済を回すのは「借りたお金を返す力」

金融の世界における「信用」は「借りたお金を返す力」を意味します。

お金をつくる信用創造というネットワークに欠かせないのは、人間社会全体に対する信頼感です。

ネットワークのどこかでこの信頼感が失われると、リーマンショックのような事態が起こるわけです。

つまり、信用創造で新たなお金を生まないと、経済は窒息してしまうということ。

 

3) 共同幻想

”ただの紙切れ”でしかないお金になぜ価値があるのか?

それはみんなが「お金」として扱うから。

「それがあればほしいモノやサービスが手に入る」という信用で成り立っているのです。

これを共同幻想と言います。

 

仮想通貨なんかは、共同幻想の本質をついている鮮烈な例です。

ネット上でやりとりできる「ただのデータ」でしかありませんが、これをお金として使おうと決めた人々の共同幻想によって、みるみる価値が上がってますね。

つまり、究極的にはこういう関係が成り立つのです。

お金=信用(約束・信頼)

 

 

『おカネの教室』の感想

「おカネの教室」というタイトルや表紙のテイストから、

  • 税金に関する基礎知識
  • 資産運用の基礎知識
  • 家計に役立つ節約テク

的な内容かと思って読んだら全然違いました。

 

もっと大きな視点で、「世の中をよくするお金の回し方」が学べる1冊です。

小説形式になってるので、”おカネの勉強をしたいけど堅苦しい本は苦手”という層にはピッタリだと思います。

 

一方で、ストーリー性とかプチ恋愛要素とかいらないよ!って人はイマイチかもですね。

とはいえ、「神の見えざる手」「ピケティ理論」といった経済の法則は末永く役立つ教養だと思うので、知らない方は読んで損はないはず。

 

 

『おカネの教室』とあわせて読みたいオススメ本3選

 

①バビロン大富豪の教え(ジョージ・S・クレイソン)

お金持ちとは、お金をたくさん持ってる人じゃない。

本当のお金持ちとは「お金の増やし方を知ってる人」なのだ

 

- バビロンの黄金の法則 -

世の中に”お金の知恵”と言われるものはたくさんありますが、本書は紀元前から変わらない不変の真理です。

マンガなのでストーリーも楽しみながら学べますよ。

 

あわせて読みたい
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②『お金の大学』(両@リベ大学長)

お金なくして自由なし!

これが資本主義のリアルです。

 

経済的自由のベースとなる3つの力の養い方が図解でとても分かりやすく学ぶことができます。

  • 貯める力・・支出を減らして貯蓄を増やす
  • 稼ぐ力 ・・収入UPで蓄財ペースを上げる
  • 増やす力・・投資に回して資産運用する

また、本書は社会保障や税制度の「仕組み」まで噛み砕いて解説してくれます

「かせぐ」「ふやす」がこれ1冊で学べます。

 

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③『驚くほどシンプルで一生使える投資の極意』(加藤航介)

  • 日本人には日本人に適した投資スタイルがある
  • 金融資産と人的資産をトータルで考えるべき

といった視点が他の本とは少し違っていて、なるほどなっ!と思える部分が多い1冊です。

新入社員とメンターの対話形式なので、とても読みやすい仕上がりになってます。

 

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まとめ:お金の話は「楽しい」もの

 

まとめます。

  • 「かせぐ」と「むすむ」の違いは、世の中の役に立つかどうか
  • 借り手と貸し手に必須なのは「合理的で理性的な合意」
  • お金の価値は「共同幻想」によって成り立っている

 

  • お金儲けは悪いこと
  • 金に執着するのは卑しい

日本はまだまだそんな偏見が根強い国ですが、本来お金の話は汚くも卑しくもなく「楽しい」ものです。

そう思わせてくれる1冊でした。

 

「経済」というものを見つめ直してみたい方は、いちど本書を手にとってみることをオススメします

 

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今回は以上です。

 

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