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『ヤバい集中力』の要約・感想【なぜゲームには集中できるのか?】

『ヤバい集中力』の要約・感想【なぜゲームには集中できるのか?】

 

『ヤバい集中力』の要約が知りたい。
「集中力」の本質が知りたい。
そんな疑問に答える記事です。

 

この記事で分かること

  • 『ヤバい集中力』の要約が分かる
  • 集中力を司る2つの心が分かる
  • 獣(本能)のコントロール方法が分かる

 

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それでは見ていきましょう。

 

 

『ヤバい集中力』の基本情報【人生の成功を左右する】

 

まずは『ヤバい集中力』の基本情報について見ていきます。

書名 :ヤバい集中力 1日ブッ通しでアタマが冴えわたる神ライフハック45
著者 :鈴木 祐
出版月:2019/9/18
出版社:SBクリエイティブ
定価 :¥1,540 (税込)

 

著者である鈴木祐氏のプロフィールはコチラです。

新進気鋭のサイエンスライター。1976年生まれ、慶應義塾大学SFC卒業後、出版社勤務を経て独立。10万本の科学論文の読破と600人を超える海外の学者や専門医へのインタビューを重ねながら、現在はヘルスケアをテーマとした書籍や雑誌の執筆を手がける。近年では、自身のブログ「パレオな男」で心理、健康、科学に関する最新の知見を紹介し続け、3年で月間100万PVを達成。また、ヘルスケア企業などを中心に、科学的なエビデンスの見分け方などを伝える講演なども行っている。『最高の体調』(クロスメディア・パブリッシング)、『超ストレス解消法』(鉄人社)、『パレオダイエットの教科書』(扶桑社)など。

-Amazon著者紹介情報より抜粋-

 

2016年、「人生の成功に必要な要素はなにか?」と言う研究で以下の結果が発表されました。

人生の成功にもっとも必要なのは、頭の良さではなく「目先の欲望に負けずに大事なことにコツコツ取り組める能力」である。

要するに「集中力」です。

 

集中力こそが人生の成功を左右するということ。

 

 

『ヤバい集中力』の要約【獣を乗りこなすべし!】

 

それでは、『ヤバい集中力』の内容を3つのパートに分けて要約していきます。

  1. 人間の心は「獣」と「調教師」
  2. 獣に「餌」を与える
  3. 獣は「報酬の予感」に反応する

順番に見ていきましょう。

 

要約①:人間の心は「獣」と「調教師」

1) 2つの心

人間の心は2つに分かれていると言われており、本書ではその2つを「獣」「調教師」という比喩で表現しています。

  •  獣  ⇨ 本能(ケーキ食べたい!)
  • 調教師 ⇨ 理性(痩せるために我慢)
  • 本能のまま好きに動く獣を
  • 調教師がどうにか操ろうとする
脳はつねに両者のぶつかり合いなのです。

 

2) 獣(本能)の特徴

ではまず、獣(本能)の特徴を見ていきましょう。

特徴①:難しいものを嫌う

獣はできるだけ具体的で分かりやすいものを好み、抽象的で複雑なものを嫌います。

単純さを好むのは、エネルギーの浪費を防ぐためです。

複雑化した現代において集中力の維持が難しいのは、ある意味では当然なのかもしれません

 

特徴②:あらゆる刺激に反応する

私たちは気づかないうちに無数の小さな刺激にさらされています。

これらの刺激は、何かに集中しているときは気になりませんが、ふと注意がそれた途端に獣を呼び起こすことになります

なぜなら獣は情報の並列処理が得意だから。

勉強中に机の汚れが気になりだして集中できなくなった経験は誰しもあるんじゃないでしょうか。

 

特徴③:パワーが強い

獣は秒間1,100万もの情報を処理しつつ瞬時に我々の体を乗っ取るパワーを持っています。

しかも反射神経も抜群で、食べ物の写真を見て0.01秒で食欲が起動されます。

いったん獣に体を乗っ取られたら、私たちは何もできません

理性を失った”あやつり人形”も同然なのです。

 

3) 調教師(理性)の特徴

次に調教師(理性)の特徴です。

 

特徴①:論理性を武器に戦う

調教師の武器は「論理性」です。

激しく暴れる獣を食い止めるべく、合理的な思考で立ち向かうのです。

  • ケーキを食べたい獣に対し
  • 食べたら太って後悔する

という論理性で獣の注意を引きます。

 

とはいえ、調教師はデータの直列処理しかできないため、圧倒的に不利な状況にあります

 

特徴②:エネルギー消費量が多い

複数の情報にあれこれと思いをめぐらす必要がある調教師は、どうしても脳に大きな負荷を与えます。

この時、調教師の働きは脳のワーキングメモリーに大きく依存します
※ワーキングメモリーとは、記憶を一時保存するメモ帳のようなものです。

とはいえワーキングメモリーの容量には制約があり、一度に3〜4個ほどの情報しか保存できません。

 

特徴③:パワーが弱い
  • とっさの状況に対応するスピードもなく
  • エネルギー消費量も多く
  • 進化の過程における歴史も浅い

そんな調教師のパワーが、獣と比べて圧倒的不利なのは言うまでもありません。

 

4) 獣は倒すより乗りこなす

ここまでの話から、3つの教訓が導き出されます。

  1. 調教師は獣に勝てない
  2. 集中が得意な人など存在しない
  3. 獣を導けば膨大なパワーが得られる

 

つまり、必要な考え方は

  • 獣は倒すんじゃなくて
  • 乗りこなして利用しよう

ということ。

 

要約②:獣に「餌」を与える

獣とうまく付き合うためにまずすべきは「腹ごしらえ」です。

キーワードは「カフェイン」「地中海食」の2つ。

 

1) カフェイン

世の中に「脳に効く」とされるサプリはたくさんありますが、現実にはカフェインほど効果が立証された成分はありません。

科学界では下記のような研究結果が出てるそうです。

  • 缶コーヒー1本飲んでから約30分で疲労感がやわらぎ、注意力が持続する
  • カフェインの集中力アップ効果は、ベースラインの5%前後

 

とはいえ、カフェインは脳への作用が強いだけに取り扱いには注意が必要です。

カフェイン摂取のポイント

  • 一度に缶コーヒー2本以上飲まない
    →400mg以上で不安や焦燥感などの副作用あり
  • コーヒーにはミルクかクリームを入れる
    →カフェインの吸収を穏やかにしてマイルドに覚醒する
  • 起床から90分以上はカフェインを飲まない
    →起床後はコルチゾール(覚醒ホルモン)が分泌されてる
  • 「2B-Alert」でカフェイン摂取のタイミングを知る
    →アメリカ陸軍開発のWEBサービス
  • 緑茶に含まれるリラックス成分「テアニン」と一緒に飲む
    →テアニンとカフェインの融合で集中力が4%アップ
いつも起床後にコーヒー飲んでた・・。

 

2) 地中海食

地中海食とは、ヨーロッパで古くから伝わる伝統食のことで

  • 野菜・フルーツ・魚介類などをたっぷり食べ
  • ファストフードやインスタント食品は避ける

という食事スタイルです。

 

近年は「食事と集中力」に関する研究が進んでおり、地中海食について信頼性の高い結論が導き出されています。

  • 地中海食の徹底で脳機能が改善し、ワーキングメモリ・注意力・セルフコントロール能力などが向上する
  • その効果は、国籍・性別・年齢を問わずに確認された

本書では、栄養学の観点から地中海食で脳への作用を最大化する「MIND」という食事法が紹介されています。

MINDのルールは3つ。

  1. 脳に良い食品を増やす
  2. 脳に悪い食品を減らす
  3. カロリー制限はしない

ちなみに「脳に良い食品」は以下のとおりです。

「ヤバい集中力」第1章より引用

 

カロリー制限はしないので、食事の量を減らす必要はありません。

 

要約③:獣は「報酬の予感」に反応する

1) ゲームには獣も集中する

  • 仕事や勉強は集中が続かないけど
  • ゲームやカジノなら何時間でも集中できる

程度の差こそあれ、多くの人に言えることだと思います。

 

特にゲームは長時間のプレイで下半身うっ血になり死亡するケースも出ています。

WHOは「ゲーム障害」という疾病分類を発表し、長時間のゲームは病気の一種であると認めました。

 

ゲームにここまで集中できるのは、「報酬」に秘密があります。

”ごほうび”は嫌いな人はいませんから。

そして、この「報酬」をクリエイターたちが掘り下げた結果、

  • 大事なのは「報酬そのもの」ではなく
  • 「報酬の出し方」にある

という結論に至りました。

 

2) 「報酬の予感」で獣をコントロールする

獣への影響が大きい「報酬の出し方」は以下2つ。

  • ニアミス演出
    →「あと少しで7が揃いそう」という感覚
  • スピード感
    →1プレイ数秒で小刻みに配当やニアミスが発生

 

獣を操る最大のポイントは「報酬の予感」を自己の管理下に置けるかどうかにかかってます。

他人がつくった「報酬の予感」で獣を操られるのではなく、自らが獣のコントロール権を取るのです。

そのための基本的な戦略は、

  1. 役に立つ「報酬の予感」を増やす
  2. 役に立たない「報酬の予感」を減らす

当たり前かもしれませんが、この2つを愚直にこなすしかありません。

 

「報酬の予感」が役に立たず集中力をキープできないときは、以下の2大要素が引っかかってるかもしれません。

  • 不毛タスク
    →報酬そのものに魅力を感じない
  • 難易度エラー
    →報酬までの道のりが難しすぎor簡単すぎ

どちらも難しい問題ではありますが、本書では自然と「報酬の予感」が最適化されるようデザインされた「報酬感覚プランニング」というタスク管理法が紹介されています

「報酬感覚プランニング」の全貌はぜひ本書でご確認ください。

 

 

『ヤバい集中力』の感想【あと必要なのは行動力】

 

鈴木拓さんの著書はいくつか読んでますが、

  • いち個人の経験則ではなく
  • 膨大な研究論文

ソースとなっているため、説得力がハンパないです。

「集中力」と言われるものの実態がよく理解できました。

 

とはいえ、本書を”読んだだけ”で集中力が上がるわけではなさそうです。

読んだ後に行動に移せるかが大事ですが、分かりやすいアクションプランに落とし込まれてるので、集中力以上に必要なのは「行動力」かもしれません

 

 

『ヤバい集中力』とあわせて読みたいオススメ本3選

 

① 『最高の体調』 (鈴木祐)

『ヤバい集中力』と同じ鈴木祐さんの著書です。

現代人が抱える体の悩みの「共通項」をあぶり出し、総合的なアプローチを取ります

こちらも科学的根拠に基づく説得力バツグンの1冊です。

 

あわせて読みたい
鈴木拓『最高の体調』の要約
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②『自分を操る超集中力』(メンタリストDaiGo)

 

メンタリストDaiGoさんの一番売れてる本で、こちらも「集中力」にフォーカスした1冊。

人間が他の動物と大きく違うのは、思考や感情をコントロールする力(ウィルパワー)を持っていることにあります。

 

集中力を鍛えるには、

  • ウィルパワーを増やす
  • ウィルパワーを節約する

本書はこの2つの視点からアプローチします。

 

あわせて読みたい
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③『反応しない練習』(草薙龍瞬)

 

あらゆる悩みは「心の反応」から始まっています。

すべての悩みの根本を解決するには、「ムダな反応をしないこと」です。

本書は古代インドの賢者ブッダの教えをもとに、”ムダに反応しない生き方”を考えていきます。

獣を暴走させないためにヒントがあるかもしれません。

 

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まとめ:集中力を追い求めすぎるのも・・・

まとめます。

  • 獣は、倒すのは無理なのでうまく利用する
  • 「カフェイン」と「地中海食」で獣に餌を与える
  • 「報酬の予感」で獣のコントロール権を取る

 

集中力について長々と書いてきましたが、著者は「集中力を諦めることも必要」とも述べています。

なぜなら、

  • 集中力を追い求めすぎると
  • 集中力が足りない自分を責め
  • 結果的にパフォーマンスが下がる

という研究結果もあるから。

数あるストレスの中でも「自責の念」は最もタチが悪いそうです。

 

獣と上手に付き合っていきたい方は、いちど本書を手にとってみることをオススメします。

 

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今回は以上です。

 

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