この記事で分かること
- 『LIFESPAN(ライフスパン)』の要約が分かる
- 老化のメカニズムが分かる
- 不老長寿のためにできることが分かる
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それでは見ていきましょう。
もくじ
『LIFESPAN(ライフスパン)』の基本情報【いざ、老いなき世界へ】
まずは『LIFESPAN(ライフスパン)』の基本情報について見ていきます。
書名 :LIFESPAN(ライフスパン) 老いなき世界
著者 :デビッド・A・シンクレア
出版月:2020/9/16
出版社:東洋経済新報社
定価 :¥2,640 (税込)
著者であるデビッド・A・シンクレア氏のプロフィールはコチラです。
世界的に有名な科学者、起業家。老化の原因と若返りの方法に関する研究で知られる。とくに、サーチュイン遺伝子、レスベラトロール、NADの前駆体など、老化を遅らせる遺伝子や低分子の研究で注目を浴びている。ハーバード大学医学大学院で、遺伝学の教授として終身在職権を得ており、同大学院のブラヴァトニク研究所に所属している。これまでに170本あまりの科学論文を発表し、50件あまりの特許を共同発明。老化、ワクチン、糖尿病、生殖能力、がん、生物兵器防衛などの分野で、14社のバイオテクノロジー企業を共同創業している。国防関係機関やNASAとも共同研究を行なうほか、これまでに35の賞や栄誉を授与されている。『タイム』誌による「世界で最も影響力のある100人」の1人に選出され(2014年)、「医療におけるトップ50人」の1人にも選出されている(2018年)。
-Amazon著者情報より抜粋-
中田敦彦のYouTube大学でも取り上げられ、反響を呼んでいる本でもあります。
- 歳をとって老いていく
- これは自然で逆らえないこと
そう思っていた自分の常識を覆す内容になってます。
『LIFESPAN(ライフスパン)』の基本情報【老化は治療できる】
それでは、『LIFESPAN(ライフスパン)』の内容を3つのパートに分けて要約していきます。
- 老化は「病」!?
- 不老長寿のためにできること
- 未来の医療のカタチ
順番に見ていきましょう。
要約①:老化は「病」!?
1) 老化があらゆる症状の唯一の要因
- 身体の衰えをもたらす
- 生活の質を制限する
- 特定の病的異常を伴う
ただし、ひとつだけ満たしてない条件が「人口の半数未満がこうむる不調であること」。
当然ながら老化は誰にでも訪れますが、
- 人口の49%に起こるものは病気で
- 50%が経験するものは病気ではない
そんな理屈おかしいだろ!というのが著者の主張です。
ある研究によると、85歳男性は平均で4種類の病気の診断を受けているそうです。
心臓病・肝臓病・高血圧・認知症などなど、症状は様々ですべて別々の疾患として扱われますが、根本的な問題はすべて「老化」にあります。
2) 老化のメカニズム
私たちの体は無数の遺伝子を持っており、必要に応じてどの遺伝子を使うかを決める「エピゲノム」というスイッチがあります。
エピゲノムは「サーチュイン」という酵素が調節していますが、サーチュインはDNAの損傷が起こるとDNA修復に駆り出され、エピゲノムの調節がお預けとなります。
そうしてサーチュインが酷使され続けると、エピゲノムが混乱し遺伝子のオンオフが正しくできなくなるわけです。
- その結果、黒髪ではなく白髪を生やしたり
- ハリのある肌ではなくシワのある肌をつくったり
このようにして細胞のアイデンティティが失われていくのが老化のメカニズムです。
要約②:不老長寿のためにできること
このメカニズムの中で不老長寿のために私たちができるのは、サーチュインを鍛えて活性化させること。
そのためのキーワードは「適度なストレス」です。
老化を遅らせるどころか、若返ることも可能と言われています。
具体的なアプローチを3点ピックアップします。
- 食べる量と回数を減らす
- アミノ酸を制限する
- 適度な負荷の運動をする
順番に見ていきましょう。
1) 食べる量と回数を減らす
理想は、健康を保てるギリギリの量しか食べないこと。
とはいえ、カロリーを大きく減らした食事を長期間続けるのは狂気の沙汰とも言えます。
そこで注目されているのが「間欠的断食」という健康増進法です。
- 絶えず空腹でいるわけではなく
- 一定の時間だけ体を飢えさせる
この「適度なストレス」によってサーチュインが活性化すると言われています。
2) アミノ酸を制限する
”何を口にするか”によっても結果は変わってきます。
結論から言うと、
- 動物性タンパク質よりも
- 植物性タンパク質を撮りましょう
ということです。
必須アミノ酸を多く含む動物性タンパク質は手軽なエネルギー源ではあるものの、心血管系疾患やがんの発症率が高くなることが明らかになっています。
一方で植物性タンパク質はアミノ酸の量で劣るものの、長寿の観点でいえば少し足りないくらいが「適度なストレス」となりサーチュインの活性化につながります。
- 長く健康に生きたいなら
- 「ライオンのディナー」よりも
- 「ウサギのランチ」にしましょう
ということ。
3) 適度な負荷の運動をする
運動によって数々の長寿遺伝子がプラスに働きます。
健康を増進する遺伝子を一番活性化させたのは、高強度インターバルトレーニング(HIIT)という運動法だそうです。
とはいえ、「”高強度”とかしんどいな・・。」という方がほとんどのはず。
著者は、毎日15分ほどのランニングでも効果はあると述べています。
- 呼吸が速くなり
- 汗をかいて
- 一息つかないと話せない
そのくらいの負荷をかけてみましょう。
要約③:未来の医療のカタチ
1) オンライン診療
現代はまだまだ医師の診察待ち渋滞が少なくありません。
そのせいもあり、不調があっても「自然とどうにかなる」のを待つことも多いのが現状です。
しかし、あと10年もすれば自宅にいながらオンラインで診療を受けれるようになると言われています。
患者は必要サンプルを専用デバイスに集めてコンピューターに接続するだけです。
これにより、さまざまな不調の正確な早期診断が可能になります。
2) パーソナルバイオセンサー
スマートウォッチの登場で、心拍数や睡眠サイクルを測定できるパーソナルセンサーは既に多くの人が利用しています。
もしピアスのように”皮膚に刺すタイプ”でこの技術が応用できればより多くの情報を得ることもできるかもしれません。
いまは腕時計型ですが、次世代のセンサーは
- 無害な皮膚パッチ型になり
- やがて皮膚下に埋め込むタイプになり
- 緊急時は自動で救急車も呼んでくれる
そんな時代が遠からずやってきそうです。
3) 早期発見が当たり前に
上記のことなどから、病気の発見・診断・治療のやり方が根本から新しくなる未来が見えてきます。
- 症状ありきのアプローチではなく
- 明確な症状として現れる前に
- DNAや遺伝子から判明できる
ということ。
自分のDNAを日常的にスキャンしておくことが歯を磨くくらい当たり前になると著者は述べています。
「もっと早く見つかれば・・。」
医師からそんな言葉を聞くことはもうなくなるかもしれません。
『LIFESPAN』とあわせて読みたいオススメ本3選
① 『最高の体調』 (鈴木祐)
- 朝起きれない
- 集中力が続かない
- つねに体調不良
現代人の体に抱える悩みは挙げたらキリがありません。
これらの悩みの「共通項」をあぶり出し、総合的なアプローチを取っていきます。
こちらも科学的根拠に基づく説得力バツグンの1冊です。
-
鈴木祐『最高の体調』の要約【人類は幸せになるように進化してない】
②『習慣が10割』(吉井雅之)
不老長寿に「適度なストレス」が有効なのはわかったけど、やっぱりなかなか継続できない。
そんな人にオススメしたい1冊です。
意志の力に依存せず、自然と行動できるようになるのは「習慣化」するのが最も合理的ではないでしょうか。
- 習慣を味方につければ、自分の人生を歩むことができる
- 習慣は、資格や教養をはるかに超える強力な武器になる
と著者の吉井さんは主張します。
-
『習慣が10割』の要約まとめ【「継続」で人生を変える最強スキル】
③『お金の大学』(両@リベ大学長)
『LIFESPAN』では、長寿化により貧富の差が拡大すると言われています。
長生きすればするほどマネーリテラシーの重要性は増してくるのです。
『お金の大学』では、お金にまつわる3つの力の養い方が図解でとても分かりやすく学ぶことができます。
- 貯める力・・支出を減らして貯蓄を増やす
- 稼ぐ力 ・・収入UPで蓄財ペースを上げる
- 増やす力・・投資に回して資産運用する
また、社会保障や税制度の「仕組み」まで噛み砕いて解説してくれてます。
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両学長『お金の大学』の要約/感想レビュー【一生モノのマネー教養】
まとめ:人類の「新たな進化」が始まってる!?
まとめます。
- 老化は病であり、あらゆる疾患の唯一の要因
- 「適度なストレス」がサーチュインを活性化する
- 自分の身体を常時スキャンするのが当たり前になる
本書を読んで、そう思う方もいるかもしれません。
とはいえ、ほんの100年ほど前「人類が空を飛ぶなんて夢物語」と言われてた時代に、ライト兄弟のつくった1機の飛行機が地面を離れ世界は一変しました。
今これと同じような歴史の転換点がきてると言われています。
¥2,000以上するちょっと高めの本ですが、これで老化を克服できるなら安いもんかもしれません。
本記事で紹介したのはほんの一部の一部です。若返りたい方は、いちど本書を手にとってみることをオススメします。
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【聴く読書】Audible(オーディブル)ってどんなサービス?
今回は以上です。