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山口周『外資系コンサルの知的生産術』の要約【プロが知る99の心得】

山口周『外資系コンサルの知的生産術』の要約【プロが知る99の心得】

 

『外資系コンサルの知的生産術』の要約が知りたい。
知的生産性を上げたい。
そんな疑問に答える記事です。

 

この記事で分かること

  • 知的生産に必要な行動が分かる
  • 知的生産のプロセスが分かる
  • 知的ストックを厚くする必要性分かる

 

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それではいってみましょう。

 

 

『外資系コンサルの知的生産術』の基本情報

まずは『外資系コンサルの知的生産術』の基本情報について見ていきます。

書名 :外資系コンサルの知的生産術 プロだけが知る「99の心得」
著者 :山口 周
出版月:2015/1/15
出版社:光文社
定価 :¥946 (税込)

 

著者である山口周さんのプロフィールはコチラです。

1970年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部哲学科卒業、同大学院文学研究科美学美術史学専攻修士課程修了。電通、ボストン・コンサルティング・グループ、A.T.カーニー等を経て2011年より組織開発を専門とするヘイグループに参画。専門はイノベーション、組織開発、人材/リーダーシップ育成、キャリア開発、新しい働き方研究。

-Amazon著者情報より抜粋-

 

本書は「思考技術」のトレーニングではなく、具体的に手足をどう動かすか?という「行動技術」のトレーニングです。

知的生産のための心得として、30代のビジネスマンを中心に新たな気づきが得られるんじゃないでしょうか。

 

 

『外資系コンサルの知的生産術』の要約

 

それでは、『外資系コンサルの知的生産術』の内容を3つのパートに分けて要約していきます。

  1. 知的生産性を左右するのは「行動」
  2. 知的生産のプロセス
  3. 知的ストックを厚くする

順番に見ていきましょう。

 

要約①:知的生産性を左右するのは「行動」

1) 「思考の技術」は知的生産術の道具のひとつ

  • 論理思考
  • 仮説思考

といった「思考」技術に関する本が最近は売れてるみたいです。

とはいえ、思考の技術を学んで「なるほどなぁ」とはなるものの、実際の仕事で知的生産性が向上したかと言われるとそうでもないのが現実。

実は、「思考の技術」だけを高めても知的生産性は向上しないのです。

なぜなら、「思考の技術」というのは知的生産性のおける「道具のひとつ」でしかないから

 

2) 知的生産は「行動の技術」が左右する

知的生産は、思考の技術よりも

  • 情報をどう集めるか
  • 集めた情報をどう処理するか

といった「行動の技術」に左右されます。

 

知的生産には、

  1. 目的に照らして情報を集め
  2. 情報を組み合わせて洞察を導き出し
  3. ビジュアルや文書にアウトプットする

という一連のプロセスがあり、出力を規定するのはボトルネックです。

どんなに優れた思考を知っていても、「動き方」がボトルネックになっていては知的成果を生み出せません

 

要約②:知的生産のプロセス

1) 知的生産の戦略

何らかの知的生産を行うとき、多くの人は情報収集から入りがちですが、まずやるべきなのは、知的生産の戦略を練ること。

知的生産の受け手が何をどこまで知ってるのか理解した上で、どうやって「新しい付加価値」を生み出すか考えるのです。

 

新しさには「広さ」「深さ」の2つの出し方があり、顧客の問題意識を整理しつつ、どっちで勝負するのかを決めます。

大事なのは、「最初に整理する」ということ。

なぜなら、新しさを出す方向によってこのあと集める情報が変わってくるから。

 

2) インプット

ホワイトカラーの知的生産で活用できる情報ソースは4つです。

  • 社内資料
  • 公開資料
  • 社内の関係者インタビュー
  • 社外の関係者インタビュー
次のマトリクスをイメージすると分かりやすいですね。

 

「外資系コンサルの知的生産術」第2章より引用

 

すべてに共通するコツは、アウトプットのイメージを明確化したうえでインプットに臨むこと

なぜなら、アウトプットイメージを固めて「足りない情報項目を探す」というスタンスがとれるため、インプット効率が高まるから。

 

3) プロセッシング

プロセッシングとは、集めた情報を分けたり組み合わせたりして、示唆や洞察を引き出すこと。

プロセッシングで重要なのは、「じゃあ、どうすればいいの?」という答えにつながるような示唆や洞察を引き出すこと

そのためには、脳の4つのモードをうまく使い分けることで初めてクオリティの高い知的生産にたどり着けます。

  • 分析:複雑で絡み合った事柄を要素ごとに分けて構成を明らかにする
  • 統合:断片的な情報を組み合わせて新しい示唆を見出す
  • 論理:結論の妥当性が保たれるよう推論を積み重ねる
  • 創造:積み重ねを省いて一気にゴールをイメージする

 

思考停止ワードに注意

思考停止ワードとは、考察のプロセスで思考を深められなくなる流行りのキーワードです。

思考停止ワード

  • グローバル化
  • イノベーション

思考停止ワードが出てきたら、それが具体的に何を指してるのか明確にするようにしましょう。

 

4) アウトプット

アウトプットの心得は「少ないほどいい」ということ。

なぜなら効率がいいから。

 

少な過ぎはよくない!という意見もありますが、少な過ぎてうまくいかない場合の根本原因は「何が言いたいのか」を研ぎ澄ましていないことです。

「情報の量とクオリティは逆相関する」と著者は言います。

 

アウトプットに必要なのは3つの要素です。

  • What (やるべきこと)
  • Why(その理由)
  • How(具体的なやり方)

この3点が揃って初めて知的生産物は完結します。

 

要約③:知的ストックを厚くする

目の前の知的生産を行う一方で、長期視点で「知的生産の基礎体力」を鍛える努力も必要です

質の高い知的生産を継続するには、読書や独学などで自分の中にどれだけの知的ストックを抱えられるかにかかっています。

ここでは「知的ストックを厚くする」ことについて考えていきます。

 

1) 厚いストックのメリット

知的ストックを厚くすることで、3つのメリットがあると著者は言います。

 

メリット①:洞察力の向上

洞察力とは、

  • 背後で何が起きているのか?
  • この後、何が起こり得るか?

という問いに答えを出す力です。

例えば、「権力者の暴走を抑制するには」という問題に直面したとき、

  • 中世ヨーロッパの「教皇」と「皇帝」の関係
  • 日本における「天皇」と「将軍」の関係

という知的ストックがあることで、「カウンターバランスが必要だ」というひとつの洞察が生まれます。

このように、目の前の問題を考察する際の助けとなるのが知的ストックのメリットです。

 

メリット②:常識の相対化

イノベーションは常に、常識を相対化し疑うところから生まれます

とはいえ、全ての常識を疑っていたら生活は成り立ちませんね。

重要なのは、「見送っていい常識」と「疑うべき常識」を見極めること

疑うべき常識とは、”いま、ここ”でしか通用しない普遍性の低い常識。

その選球眼を与えてくれるのが「知識ストックの厚さ」なのです。

 

メリット③:創造性の向上

「創造」と言うと、”新しいものを生み出すこと”と考えられがちですが、大抵は”既存のものの組み合わせ”から生まれます。

分かりやすく言えば「パクる」ということ。

ここで重要になるのがパクる情報の数です。

なぜなら、アイデアの質はアイデアの量に依存するから。

イノベーターは、

  • 成功したから多くを生み出したのではなく
  • 多くを生み出したから成功した

そのように言われています。

知的ストックの量が創造性に直結するのです。

 

2) 欠陥があっても構わない

知的ストックの欠陥を過剰に意識して、それに時間を使うよりは、「どこを尖らせるか」を意識した方が合理的です。

なぜなら、知的生産は基本的にチームで行うため、徹底的に強みを生かした方がいいから。

  • 欠陥を補いつつ、いつも80点とる人よりも
  • いつも60点だけど、ココゾで150点出す

というのが知的生産の勝ち方なのです。

 

3) 「時間を防御する」という意識を持つ

  • ストックの厚みはインプット量に比例し
  • インプットの量は時間に比例します

知的ストックを厚くするには時間を増やすしかないということ。

 

そのためには、自分の時間を奪いにくる組織や個人から「時間を防御する」という意識が必要です。

なぜなら、世の中のビジネスは結局のところ「いかに人から時間を奪うか」という問題だから。

よほど意識的に時間を防御しない限り、インプットの時間を奪われて、別の人の富に変換されてしまいます。

「時間」は誰しもが平等に持つ唯一の投資資源です。

それをどう使うかによって知的ストックの厚みは変わってきます。

 

 

『外資系コンサルの知的生産術』とあわせて読みたいオススメ本3選

 

①『武器になる哲学』山口周

本書と同じ山口周さんの著書。

学ぶべき知的ストックのひとつとして、「哲学」を挙げられていましたが、

  • 役に立たない
  • つまらない

というのが哲学につきまとう印象です。

その原因も考察しつつ、ビジネスマンが学ぶべき哲学を用途別に分かりやすく解説してくれてます。

著者は慶應義塾大学文学部哲学科卒業。

 

あわせて読みたい
山口周『武器になる哲学』の要約【こうすれば哲学は使えるのか!】
山口周『武器になる哲学』の要約【哲学ってこうやって使うのか!!】

 

②『コンサル1年目が学ぶこと』大石哲之

職種や業界を問わず今後も役立つ普遍的なベーシックスキルをとても分かりやすく学べる良書です。

決してコンサル担当者だけのものではなく、すべてのビジネスパーソンにオススメできる1冊。

ビジネスマンの教科書とも言える1冊。

 

あわせて読みたい
『コンサル1年目が学ぶこと』の要約【ビジネスマンの普遍的スキル】
『コンサル1年目が学ぶこと』の要約【ビジネスマンの普遍的スキル】

 

③『ずるい考え方』(木村尚義)

『ずるい考え方』は常識に捉われない自由な発想をする「ラテラルシンキング」という考え方です。

人と違うことが大きな価値となる現代において、皆と同じ思考のままでは「その他大勢」として埋もれてしまいます。

常識の枠を外れつつ「その手があったか!?」と言わせる思考法があれば、知的生産の現場でアタマひとつ抜け出せるかもしれませんね。

 

あわせて読みたい
『ずるい考え方』の要約・感想【一生使えるラテラルシンキング】
『ずるい考え方』の要約・感想【一生使えるラテラルシンキング】

 

 

まとめ:知的生産術は現代の必須スキル

 

まとめます。

  • 知的生産性を左右するのは「思考」ではなく「行動」
  • 新しい付加価値は「広さ」と「深さ」出し方で勝負する
  • 時間を防御しつつ、強みを尖らせてストックを厚くする

 

ワークライフバランス、働き方改革といった言葉を耳にするようになって久しくなりました。

残業削減や休暇取得推進をうたっている職場も多いんじゃないでしょうか。

  • 働く時間が減ったら
  • 生産性が下がった

なんてことにならないためにも、知的生産術は現代における必須スキルと言えるかもしれませんね。

 

知的生産性を上げて成果を最大化したい方は、いちど本書を手にとってみることをオススメします

 

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今回は以上です。

 

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