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『「一人で生きる」が当たり前になる社会』の要約【ソロ大国ニッポン】

『「一人で生きる」が当たり前になる社会』の要約【ソロ大国ニッポン】

 

『「一人で生きる」が当たり前になる社会』の要約が知りたい。
一人で生きる予定だけど不安。。
そんな疑問に答える記事です。

 

この記事で分かること

  1. なぜ「一人で生きる」が当たり前になるのか
  2. 「一人で生きる」は不幸なのか
  3. withコロナ時代の「一人で生きる」

 

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それでは見ていきましょう。

 

 

『「一人で生きる」が当たり前になる社会』の基本情報

まずは『「一人で生きる」が当たり前になる社会』の基本情報について見ていきます。

書名 :「一人で生きる」が当たり前になる社会
著者 :荒川和久、中野信子
出版月:2020/12/18
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン 
定価 :¥1,100 (税込)

 

著者である荒川和久さんと中野信子さんのプロフィールはコチラ。

荒川和久
独身研究家/マーケティングディレクター。ソロ社会論および非婚化する独身生活者研究の第一人者として、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・Webメディアなどに多数出演。韓国、台湾などでも翻訳本が出版されるなど、海外からも注目を集めている。著書に『結婚しない男たち―増え続ける未婚男性「ソロ男」のリアル』(ディスカヴァー携書)、『結婚滅亡』(あさ出版)、『ソロエコノミーの襲来』(ワニブックスPLUS新書)、『超ソロ社会―「独身大国・日本」の衝撃』(PHP新書)など。

中野信子
1975年、東京都生まれ。脳科学者、医学博士、認知科学者。東京大学工学部応用化学科卒業。同大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。フランス国立研究所ニューロスピン(高磁場MRI研究センター)に勤務後、帰国。現在、東日本国際大学教授。著書に『ペルソナ』(講談社現代新書)、『サイコパス』(文春新書)、『キレる!』(小学館新書)、『悪の脳科学』(集英社新書)、『空気を読む脳』(講談社+α新書)ほか。テレビ番組のコメンテーターとしても活躍中。

-Amazon著者情報より抜粋-

 

2040年には、日本人(15歳以上)の半分は独身になる--。

 

そう聞くと、皆さんはどのように感じますか?

  • 半分も独身になるのか!?
  • でも既婚者も半分いるじゃん!?

いろいろあると思いますが、既婚者の大半は高齢者が占め、若者は結婚しない方が当たり前の世界がすぐそこまで来ていると考えられます。

晩婚化と離婚の増加で、必然的に独身が増えています。

 

本書は「これからの日本は一人で生きることが当たり前の社会になる」というテーマで、独身研究家の荒川和久氏と脳科学者の中野信子氏の対談をまとめた1冊です。

 

 

『「一人で生きる」が当たり前になる社会』の要約

 

それでは、『「一人で生きる」が当たり前になる社会』の内容を3つのパートに分けて要約していきます。

  1. なぜ「一人で生きる」が当たり前になるのか
  2. 「一人で生きる」は不幸なのか
  3. withコロナ時代の「一人で生きる」

順番に見ていきましょう。

 

要約①:なぜ「一人で生きる」が当たり前になるのか

1) 300万人の日本人男性は結婚相手が見つからない

独身人口が増える理由のひとつに「離婚の増加」があります。

「3組に1組の夫婦は離婚する」とよく言われますが、高度経済成長期には10%を切っていた離婚率が、ここ数年は35%を超えてきているそうです。

 

これにより、結婚における男性の格差社会が訪れています。

  • 男性は再婚相手に初婚女性を選び
  • 再婚女性は再婚男性を選ぶ

著者はこれを「時間差一夫多妻制」と呼んでいます。

離婚&再婚を繰り返す人もいれば、1回も結婚できない人はずっとできないわけですね。

 

2) 一人でいたい人は4割

これまで標準と思われていた「夫婦+子ども」という家族構成は、2040年には23%しかいなくなり、一人暮らしが40〜50%になるそうです。

本書では、ソロ度を4つの属性に分類しています。

『「一人で生きる」が当たり前になる社会』第1章より引用

 

「3割が離婚する」というのも、まさにこういうことなんですね。

つまり、みんなが結婚に向いているわけではないということ。

結婚は義務ではないので、自分に合った適応戦略を取ればいいわけです。

 

3) 経済活動としての結婚、搾取手段としての「皆婚主義」

結婚はしなければいけないものではありません。

今は何でも消費する欲望の時代でもあるので、「結婚も消費のひとつ」という考え方もあります。

 

年功序列や終身雇用が当たり前だった頃は、「結婚して家庭を持って一人前」といった考えがありましたが、要するにそれは「人質」なわけです。

独身ではなく家族がいた方が会社のために懸命に働くだろうということ。

結婚する・しないは、企業の論理によってソロの人たちが劣勢にならざるを得ない社会がつくられていたんですね。

今はもうそんな風潮ほとんどありませんね。

 

要約②:「一人で生きる」は不幸なのか

1) 癒やしとしての「孤食」

「味集中カウンター」でお馴染みの一蘭は”一人で食べる”ことを前提に設計されてますよね。

一蘭以外にも、一人焼肉や一人カラオケをする人はどんどん増えており、一人じゃないと入れない”おひとりさま限定バー”もあるそうです。

心理学で「孤食」という言葉がありますが、みんなで食べるとストレスがかかるから、一人で食べつつストレスを和らげる人もたくさんいます

  • みんなと食べたい時はそうすればいいし
  • 一人で食べたい時は一人でいい
多かれ少なかれ人間関係はストレスの原因になりますからね。

 

2) 「選択的孤独」と「排除による孤独」

孤独には、「選択的孤独」と「排除による孤独」の2種類あります。

選択的孤独は、自ら選んだ「贅沢としての孤独」なので、自分のリソースを自由にできる非常に心地いいものです。

一方、排除による孤独は「自分はここに馴染めてない」という孤独感であり、大きなストレスになります。

 

排除による孤独だけを見ていると、「孤独=不幸」という決めつけにつながりかねません。

逆に、みんなとワイワイ騒いでる人は寂しくないのかと言うと、そうでもなかったりするわけです。

むしろ一番危険なのは、大勢に囲まれてるのに「なんか私めっちゃ孤独なんだけど」という状態

一緒にいるからこそ、自分の孤独をより強烈に感じてしまうわけですね。

 

3) 人と触れ合うことで生まれる愛情ホルモン

「孤独=不幸」ではありませんが、人間関係の中でこそ生まれる癒やし物質もあります。

それが、オキシトシンというホルモンです。

オキシトシンは人と触れ合うことで分泌され、体を修復したり精神を安定させる効果があると言われてます。

オキシトシンが多く分泌される人は、長期的には体重増加の傾向があるそうです。

いわゆる「幸せ太り」ですね。
  • 孤独がつらい
  • 人とうまく関係性を築けない

という人は「オキシトシン」を意識してみるといいかもしれません。

 

要約③:withコロナ時代の「一人で生きる」

1) コロナ離婚に見る「一人で生きる」を選ぶ人たち

在宅ワークによって「コロナ離婚」が増えているという報道がありました。

自宅時間が増え、ひとつ屋根の下でずっと一緒にいるのはキツイということ

いったんは好きになった相手でも、環境条件で関係性は変わるわけです。

「たまに会うから楽しい」という感覚は、だれしも経験あるはず。

夫婦と言えども赤の他人です。習慣も常識もそれぞれ違うのでソコはすり合わせる必要がありそうですね。

 

2) マスクありきのコミュニケーション

どこへ行くにもマスクが必須の世の中になり、相手の表情がわからない状態でコミュニケーションする場面が増えました。

とはいえ、欧米人に比べて日本人はマスクによるコミュニケーションの弊害は少なそうです。

なぜなら、感情をあらわすとき、欧米人は口を変えますが、日本人は目を変えるから

顔文字にも、その違いがあらわれてます。

 

『「一人で生きる」が当たり前になる社会』終章より引用

 

そのため、日本人はサングラスをかけている人を怖いと感じやすいわけですね。

 

3) 通勤で生まれていた「ひとり時間」

フルリモート生活は、機能的には可能であることが分かりました。

リモートワークも、人と会わない生活も理屈の上ではできるわけですが、出勤の必要性がなくなることもなさそうです。

それは仕事の効率うんぬんではなく、多くの人が対面でのコミュニケーションを実は望んでいるから

  • 朝の通勤で一人の時間を確保して
  • 会社でみんなとコミュニケーションして
  • 帰りの電車でまた一人の時間を確保して
  • 帰宅したら家族と過ごす

満員電車の大変さと引き換えにしても、この流れは必要なのかもしれません。

家・電車・会社といった環境の切り替えは、人が精神を保つのに大事な要素とも考えられます

 

 

『「一人で生きる」が当たり前になる社会』とあわせて読みたいオススメ本3選

 

①『99.9%は幸せの素人』(星渉・前野隆司)

昔ほどではないにしろ、「一人=寂しい」という価値観の人も少なくないでしょう。

「結婚=幸せ」という価値観はもう古いのでしょうか?

  • そもそも自分にとって「幸せ」とは何なのか?
  • どうすれば幸福度は増すのか?

とは思いませんか?

最新の脳科学・心理学に裏付けられた「自分で自分を幸せにするメソッド」が学べる1冊です。

 

あわせて読みたい
星渉『99.9%は幸せの素人』の要約【それって本当に幸せなの?】
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② 『最高の体調』 (鈴木祐)

独身男性は食生活が乱れがちです。

食生活に限らず、

  • 朝起きれない
  • 集中力が続かない
  • つねに体調不良

現代人の体に抱える悩みは挙げたらキリがありません。

これらの悩みの「共通項」をあぶり出し、総合的なアプローチを取っていきます

こちらも科学的根拠に基づく説得力バツグンの1冊です。

 

あわせて読みたい
鈴木拓『最高の体調』の要約
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③『群れから、離れよ!』(川北 義則)

群れることは他人に依存する生き方。

これからは「どこに属してるか」より「何ができるか」が重要視される時代だと著者は主張しています。

 

「群れないライフスタイル」という価値観に触れてみるのも面白いかもしれません。

 

あわせて読みたい
『群れから、離れよ!』の要約・感想まとめ【正しい嫌われ者になれ】
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まとめ:一人で生きる社会は決して絶望的ではありません

 

昔のような大家族がなくなり、標準世帯と言われた「夫婦+子ども」世帯も、2040年には2割台になる見込みです。

日本は今まさに、「少産少死」から「少産多死」の時代への過渡期にあります。

 

とはいえ、成熟した社会はそうした状況へ向かうのが自然で、もう何十年も前から予測されていたこと。

人口転換メカニズムの大きな流れは、決して人為的な力で変えられるものではありません。

 

私たちが考えるべきは、

  • 変えられないものを変えるかのような虚説や茶番ではなく
  • ファクトとともに不可避な未来を見据えつつ、今をどう歩くか

ということ。

 

ソロ社会、個人化する社会は、決して絶望的な未来ではありません

20年後の日本を垣間見たい方は、いちど本書を手にとってみることをオススメします。

 

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今回は以上です。

 

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