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『リフレクション』の要約【組織を成長させるリーダーの内省の技術】

『リフレクション』の要約【組織を成長させるリーダーの内省の技術】

 

『リフレクション』の要約が知りたい。
内省の技術を身に付けたい。
そんな疑問に答える記事です。

 

この記事で分かること

  1. リフレクションせずに進み続ける2つのリスク
  2. 認知の4点セット
  3. リフレクションの5つの基本メソッド

 

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それでは見ていきましょう。

 

 

『リフレクション』の基本情報【正解がない時代の必須スキル】

Amazon書籍ページより引用

まずは『リフレクション』の基本情報について見ていきます。

書名 :リフレクション(REFLECTION) 自分とチームの成長を加速させる内省の技術
著者 :熊平 美香
出版月:2021/3/19
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン
定価 :¥1,980 (税込)

 

著者である熊平美香さんのプロフィールはコチラ。

昭和女子大学キャリアカレッジ 学院長。一般社団法人21世紀学び研究所 代表理事。ハーバード大学経営大学院でMBA取得後、金融機関金庫設備の熊平製作所・取締役経営企画室長などを務めた後、日本マクドナルド創業者に師事し、新規事業開発を行う。1997年に独立し、リーダーシップおよび組織開発に従事する。2009年より日本教育大学院大学で教員養成に取り組む傍ら、未来教育会議を立ち上げ、教育ビジョンの形成に尽力。2015年に一般社団法人21世紀学び研究所を設立し、リフレクションの普及活動を行う。

-Amazon著者情報より抜粋-

 

リフレクションとは、自分の内面を客観的・批判的に振り返る内省の技術です。

リフレクションの目的は、あらゆる経験から学びつつ未来へ生かすこと。

どんな経験にも、たくさんの「叡智」が詰まってます。

 

 

『リフレクション』の要約【内省の技術】

それでは、『リフレクション』の内容を3つのパートに分けて要約していきます。

  1. リフレクションせずに進み続ける2つのリスク
  2. 認知の4点セット
  3. リフレクションの5つの基本メソッド

順番に見ていきましょう。

 

要約①:リフレクションせずに進み続ける2つのリスク

1) 他人に伝授できず、成長が止まる

リフレクションができていないと、自分の知恵やノウハウを他人に伝授できず、いつまでも自分でやり続ける必要があります。

恐いのが、そういった人が「優秀」と見られること。

そのような状態は、ただ単に周りが成長していないことで「相対的に」優秀に見えてるだけです。

 

マネージャーの仕事は、「早く部下を卒業させること」という考え方があります。

そういった組織では、ずっと同じ仕事に部下を従事させるマネージャーは育成力がないと判断されます。

人は、新しいチャレンジができる環境で成長するものです。

そのためにも、すでにできることは部下に任せていきましょう。

 

2) 過去の成功体験にしがみつく

私たちはいま、大きなパラダイムの転換点にいます。

  • メンバーシップ型からジョブ型へ
  • 終身雇用から大転職時代へ

新型コロナのパンデミックにより、その動きは加速しつつありますね。

日々、新しいテクノロジーが生まれ、これまでの「花形」が一気に衰退に追い込まれたりします。

 

この大きな変化の中で、リフレクションをしていないと過去の成功体験ばかりを踏襲し、時代の変化にとり残されてしまいます

  • 過去の成功体験のの中から
  • ものの見方や価値基準を形成し
  • 何を残し何を手放すかを判断できる

そのために必要なのがリフレクションなのです。

 

要約②:認知の4点セット

1) 認知とは

そもそも「認知」とは心理学で使われる用語で、「外界にある対象を知覚し、それが何なのか判断する」ことを意味します。

呼吸のように誰もが生まれた時から当たり前に実践している行為です。

  • 朝の空を眺めて(知覚)→今日は晴れだ(判断)
  • 上司の表情を見て(知覚)→今日は機嫌良さそうだ(判断)
  • 資料に目を通し(知覚)→重要箇所に線を引く(判断)

経験を振り返るときに、何を振り返り、その経験をどう意味づけるかは「認知」が決めます。

つまり、そもそも認知がズレていたら、どれだけリフレクションをしても意味ないということ。

 

2) 認知を可視化する4点セット

認知を可視化するためのツールが以下の4点セットです。

  1. 意見
  2. 経験
  3. 感情
  4. 価値観

 

意見
  • A案がいい
  • 天気がいい

など、意見は「考え・学び・思ったこと」を指します。

経験・感情・価値観のすべてに意見を含めてしまう人がいるので、まず「4つに分類する」ことを頭に入れておく必要があります。

 

経験

意見の背後にある経験が該当しますが、読んだり聞いたりしたことでも構いません。

経験は、「意見の根拠」になります。

「いつ」と断定できるくらい具体的な経験の方が、このあとの感情や価値観を見出しやすくなります。

 

感情

「その経験に対して、どのような感情を抱いているのか」という視点です。

「意見」が混ざりがちですが、あくまで”感じたこと”のみ切り分けるのがポイント。

最初はポジティブかネガティブの2択から始めて、徐々に具体化していきましょう。

 

価値観

認知の4点セットの中でもっとも難易度が高いのが、価値観の定義です。

意見の背景には必ず「判断に用いた基準」があるはず。

その”基準”や”モノの見方”が価値観と言えます。

価値観は抽象的なので、慣れるまで見つけにくいかもしれません。

 

3) 犬の「好き」「嫌い」を4点セットで考える

認知の4点セットを用いたシンプルな例として、犬に対する「好き」「嫌い」という認知で考えてみます。

犬が好きな人は、過去の経験がポジティブな感情となり、「かわいい・癒しの存在」という見方が形成されます。

一方で犬が嫌いな人は、過去の経験がネガティブ感情となり、「危険・怖い存在」だと思っています。

「リフレクション」第1章より引用

 

ポイントは、同じ知覚情報でも認知は人によって異なるということ

 

要約③:リフレクションの5つの基本メソッド

では、「認知の4点セット」をフル活用して、リフレクションの基本となる5つのメソッドを紹介します。

  1. 自分を知る
  2. ビジョンを形成する
  3. 経験から学ぶ
  4. 多様な世界から学ぶ
  5. アンラーンする

順番に見ていきましょう。

 

1) 自分を知る

あなたを突き動かす、動機の源は何でしょうか?

動機の源は、やりがいや喜びを感じる理由です

同じ職種で同じ性格だったとしても、動機の源はさまざま。

最近では、内発的動機づけに基づき行動するセルフマネジメントも注目されてますね。

 

自分を知るリフレクションでは、4つの方法で価値観を言語化しつつ、動機の源を探っていきます。

  1. キーワードリストを活用したリフレクション
  2. 日常の出来事を題材にしたリフレクション
  3. 腹が立ったことのリフレクション
  4. 自分史のリフレクション

 

2) ビジョンを形成する

自分を知るリフレクションで見つけた動機の源を、目的やビジョンに向かうための原動力にしていきます。

ポイントはネガティブな感情に焦点を当てること

何かに不満を持ち、動機の源が満たされていないとき、心の中にある理想イメージの実現を願っているはず。

これがビジョンの種です。

 

ビジョンの種を、本物のビジョンに変換することが狙いです。

  • 現状を変えたい
  • 理想とのギャップを埋めたい

と願う気持ちが潜在的能力を高めます。

 

3) 経験から学ぶ

過去を反省するのではなく、経験を知恵に変えるリフレクションです。

成功しても、失敗しても経験したからこそ知ってることがあります。

そのため、失敗をポジティブに振り返る力が欠かせません

経験から学ぶリフレクションは「経験学習サイクル」という4つのステップを繰り返すことで学ぶ力を高めます。

 

経験学習サイクル

  1. 経験する
  2. 振り返る
  3. 法則を見出す
  4. 次の計画に活かす

 

4) 多様な世界から学ぶ

対話はコミュニケーションの手段と捉えられがちですが、私たちの学びを支える土台となる力です。

なぜなら、私たちの認知は限られた経験や知識に依存し、物事のある側面からしか見ることができないから

認知の視野を広げるために、対話はとても有効なのです。

 

対話には、3つのステップがあります。

  1. 自分の考えを認知の4点セットでリフレクションする
  2. 感情をコントロールし評価判断を保留にする
  3. 相手の意見を認知の4点セットを聞き取り、共感する

 

5) アンラーンする

アンラーン(Unlearn)とは、過去の学び(成功体験)を手放す行為です。

アンラーンは新しい価値を創造するのに役立ちます。

なぜなら、自らの意思で前向きにマインドセットを変えられる人だけが、時代の変化に対応できるから。

 

何かに行き詰まったらアンラーンするタイミングです。

成功体験の思い出は残しつつ、ものの見方だけ手放します。

 

 

『リフレクション』とあわせて読みたいオススメ本3選

 

①『コーチングが人を活かす』(鈴木義幸)

20年前、「最良のコーチング入門書」としてロングセラーとなった本書がアップデートされました。

コーチングの必要性には3つの理由があると言われています。

  1. 正解を見つけにくい課題の増加
  2. 多様性の拡大
  3. イノベーションの必要性
そのどれもが20年前より増しているわけです。

 

あわせて読みたい
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②『コンサル1年目が学ぶこと』(大石哲之)

職種や業界を問わず、今後も役立つ普遍的なベーシックスキルをとても分かりやすく学べる良書です。

決してコンサル担当者だけのものではなく、すべてのビジネスパーソンにオススメできます。

ビジネスマンの教科書とも言える1冊。

 

あわせて読みたい
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③『成長マインドセット』(吉田行宏)

  • なかなか営業成績が上がらない
  • 部下の数字が伸びない
  • 上からのプレッシャーもある

そんな悩みを抱える主人公が、ふらっと入ったカフェのマスターから”成長するためのマインドセット”を教わるお話です。

成長を阻害するもの、促進するものをストーリー形式でわかりやすく学べる1冊。

 

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まとめ:リフレクションで多面的な「モノの見方」を。

 

まとめます。

リフレクションをしない2つのリスク

  1. 他人に伝授できず、成長が止まる
  2. 過去の成功体験にしがみつく

 

認知の4点セット

  1. 意見 ・・考え・学び・思ったこと
  2. 経験 ・・意見の根拠
  3. 感情 ・・”感じたこと”のみ切り分ける
  4. 価値観・・判断に用いた基準

 

5つの基本メソッド

  1. 自分を知る
  2. ビジョンを形成する
  3. 経験から学ぶ
  4. 多様な世界から学ぶ
  5. アンラーンする

 

リフレクションでより多くの「モノの見方」を持っておくことは、多様性が拡がる現代の大きな武器になるんじゃないでしょうか?

 

この記事で紹介できたリフレクションは基本の中のほんの一部です。本書ではより実践的なメソッドが詳しくまとめられています。

  • リーダーシップ編
    →オーセンティックなリーダーになる
  • 育成編
    →自立型学習者を育てる
  • チーム編
    →コラボレーションする

 

変化に取り残されずに成長し続けたい方は、いちど本書を手にとってみることをオススメします

 

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今回は以上です。

 

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